家族に会社は継がせない

 黒須さんの経営哲学のなかで、最大の驚きは明快な企業経営への姿勢。「家族に会社は継がせない」というもの。はっきりと言語化して宣言していると言う。息子にも娘にも。だから家族は誰も会社に入っていない。
 会社は永続することが大切であり、私物ではないという明快な論理。「有能な経営者は公平な仕事の場から現れる」と信じている。
 社員から社長へ。それこそがモチベーションを高める最高の手法であるという哲学がある。
 社員から社長を出すという背景には、じつは「200年住宅」を具現化するという息の長い世界観がある。今後、200年住宅を志向するとき「ローン50年時代」が到来すると予測する黒須さんにとって、その保証は会社の存続によって示すしかないという哲学がある。顧客の最高の安心は黒須建設の存続にかかっていると。会社の継続があって初めて息の長い幾世代も続くアフターケアが保証できるという心。

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