オフィス+ホテルの最新複合ビル

 同ビルは2003年9月に先行して完成し、この連載でも紹介した「丸の内トラストタワーN館」(04年春号)の南側に増築部分として建設された、ツインタワーの第2期棟にあたる。しかし、19階建てのN館に対し、本館は37階建てで、延床面積もほぼ2倍。双子というよりは親子、しかも親の身長を大きく抜いた子どものようだが、これはN館竣工後に法整備が進んだ「都市再生特別地区」の都市計画決定を受け、容積率が大きく緩和されたためだ。この結果、オフィスだけでなく、高層部には国際的なビジネスサポートとしてのホテル機能も盛り込まれ、歩行者に開かれた敷地内通路や、防災上の避難場所ともなる広場・共用ホール・ガレリアなども整備。太陽光発電、風力発電、雨水利用など、環境負荷低減への取り組みも積極的に行っている。ちなみに、入居するホテルは香港に拠点をもつホテルグループ、シャングリ・ラの日本進出第一弾となる「シャングリ・ラ ホテル 東京」。全202室のうち、標準タイプの広さが50㎡というラグジュアリーホテルで、内装設計は世界の有名ホテルを手がけるデザイン事務所として知られる、アメリカのハーシュ ベドナー アソシエイツ。
 残念ながら今回、ホテルは開業前で見学できなかったが、5年のあいだに最新オフィスとその水まわりはどう進化したのかを取材した。

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