トートー×マガジンハウス グリーンジャーナル
vol.2 コーヒーを選んで、地球を守る。レインフォレスト・アライアンスを知っていますか?
第1章 地球規模のエコ・コーヒーとは? 第2章 環境にやさしいコーヒー栽培とは? 第3章 探せばいる、いる! 生活の中でカエルを探し、熱帯雨林を守ろう。
第2章 環境にやさしいコーヒー栽培とは?
低木のコーヒーの上には、シェイドツリーと呼ばれる背の高い木。コーヒーが育つ本来の姿に近い(写真提供/UCC)


「自然保護」「栽培方法」「地域の生活」という視点。
現在世界中で、熱帯雨林の破壊はすさまじいスピードで進んでいます。毎月、東京の山手線の内側(約65平方キロメートル)と同じくらいの面積の熱帯雨林が消滅しているといわれています。では、この熱帯雨林の環境を守るために、ニューヨークに本部を持つ国際NGO「レインフォレスト・アライアンス(RA)」の認証を受けているコーヒー農家は、どうやってコーヒーを栽培しているのでしょう? 低木のコーヒーは、本来、熱帯雨林の高い樹木の下で適度な光を受けて育ちます。しかし、近代になってからは効率的な生産のためにコーヒーだけの単一な畑に仕立てられ、野生生物が暮らしにくい環境になってしまいました。そこで本来の森の姿を活かそうと、天然の高い樹木を保護し、化学肥料や農薬を減らした自然に負荷の少ない「栽培方法」への変換を目指しています。いわば、サステナブルな森林の活用方法です。これは、土壌の流出や飲料水の汚染を防ぐことになり、地元に暮らす人々の生活環境の保全にもつながります。 RAは自然環境とともに人権を重視し、農民の賃金、医療、労働条件などにも配慮した農園でなければ認証を与えません。熱帯雨林には自然だけがあるわけではなく、そこには人間も暮らしています。自然を保護するために、30万人以上といわれるコーヒー農民が今よりも苦しい思いをしてはならず、広い意味では「地域の生活」も環境のひとつなのです。これらを両立させると生産コストも上がってしまいますが、それだけに意味を持つ内容といえるでしょう。
熱帯雨林は無計画な農業や林業のために、すさまじい勢いで減少している。さまざまな生き物の母体だからこそ、今後の保護が大切(写真/高橋庄太郎)
全身を粘膜で覆われているカエルは、環境の変化に敏感。熱帯雨林の環境保全を目的としたRAのマークに採用されているのも道理だ(写真/高橋庄太郎)

倍、倍の勢いで伸びていく生産量。

「RA認証」制度は、オレンジやカカオ、バナナ、切花といった農作物も対象ですが、コーヒーの分野が開始されたのは1998年です。その成果は近年になって急上昇しています。例えば、RA認証のコーヒー生豆の生産は、2004年が1万59トンでしかなかったのに、2005年には4万2899トン、2007年には9万300トンと、すばらしい伸びを記録しています。とはいえ、1年に1度は抜き打ち検査も行われるという厳しい認証基準だけに、世界のコーヒー豆の総生産量743万トン(2007年)に比べれば、まだ1.2パーセントです。しかし、これから、もっと増えていくことは間違いありません。RAは国連からの支援も受けた国際NGOではありますが、この動きを本当に支えていくのは、環境保護への強い願望を持った世界中のコーヒー好きたちの善意です。生産量が増えるにしたがって、RA認証コーヒーを使った製品は少しずつ日本でも増えてきています。では次の章で、私たちの身近にあるRA認証コーヒーや製品を見てみましょう。さまざまな種類があり、きっと驚きますよ。
→第3章に続く
「UCCリントンマンデリン」はアジア初のRA認証農園(写真提供/UCC) 赤い実は“コーヒーチェリー"。この内に生豆がある(写真提供/UCC)