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UD Style TOTOのユニバーサルデザイン

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TOTOと日経デザインが見つけた、身近なユニバーサルデザインを紹介するサイト「ホッとワクワク」。第21回からは再び、いろいろな施設のユニバーサルデザインにフィーチャーしていきます。

暮らしのUD

ホッとワクワク

TOTO×日経デザイン

第29号
五感で移動できる公共施設2

第28回と第29回は、山梨・南アルプス市にある「南アルプス市健康福祉センター」を取材しました。同センターは、健康診断などを行う健康づくりホールを中心に、児童館、市役所の窓口センター、会議室などが併設された複合施設。毎日、市内に住む幅広い年代の人がさまざまな目的で訪れます。「建物には複数の出入り口を設け、また、上下階の移動手段として階段やエレベーター、スロープなどを取り入れて、駐車場を含め館内を来場者の皆さんが自在に行き来できるよう配慮しました」と、設計を担当した日建設計・設計部門設計部長の岩ア克也さん。そこで第29回は、子供からお年寄りまで快適に移動できる、同センターの空間デザインや設備を取り上げます。

 

ホール全景 建物の外観 左/建物の中央には吹き抜けを持つ、広々としたコミュニティーホールがある。ここに廊下、階段、エレベーターが集中しており、建物のどの施設にも行きやすい。 右/建物の外観(写真:すべて山田愼二)

アイデア4 緩やかなスロープを通じ、駐車場から2階までラクに移動

同センターでは、土地の高低差を利用して、駐車場そばから2階まで直接通じるスロープを設けています。斜度が緩やかなので、子供からお年寄りまで歩いて上がれるのはもちろん、ママがベビーカーを押したり、介助者が車いすを押しながら上がることができます。床の表面は小石を含んだコンクリートで仕上げられ適度な凹凸があるので、滑る心配もありません。
このスロープ終点にある2階の出入り口付近には、ちょうど児童館が位置しており利用する子供たちには特に便利。ママの車から降りてスロープを小走りで上がり、友達の待つ児童館に嬉しそうに入っていく姿が印象的です。

横幅が広いスロープ車いすを押してスロープを上がっていく様子。スロープの幅は車いす同士がすれ違える程度

スロープ全景スロープは駐車場そばから始まり、建物に向かって緩やかな傾斜をつくる

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アイデア5 引き戸付近を平らにして、出入りをスムーズに

施設の出入り口周辺は、屋内外に段差のあるケースが多いですね。当センターでは引き戸をはさんだ屋内外の床の高さをそろえ、レール付近の凹凸も最小限にするなど、極力平らにしています。誰もが足先を段差に引っかけることなく出入りでき、ベビーカーや車いすを押しているときも「ガタン」という衝撃はありません。
屋外側のすのこのように見えるグレーチングの部分は、実は雨仕舞いの仕掛け。雨が屋内に入らないよう、レール沿いに雨を流す溝を設け、車いすなどの出入りが楽なように平らにしているのです。さまざまな機能と、建物のイメージに合うグレーチングのすっきりとしたデザインを両立させた様子に、同センターを気持ちよく使ってほしいという心配りが見えるようですね。
※グレーチング=道路などの排水路の上にかける格子状のフタ

引き戸のレール屋内のフローリングから引き戸のレール、屋外のグレーチングの部分まで続けて平らなことが分かる

段差がなく車いすの移動がスムーズ車いすでレール付近を通過する際も、段差がなくスムーズ

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アイデア6 身体の向きを変えず乗降できるエレベーター

コミュニティーホールは建物の中心に位置し、施設を行き来する際にほとんどの人が通る場所です。そういったアクセスしやすい場所を選び、1階から2階へ移動するためのウォークスルーエレベーターが設けられました。全面ガラス張りのうえホールの中央にあるので、1階や2階で誰かが乗降している様子が常に目に入り、大きくサインを表示しなくてもエレベーターの位置は一目瞭然です。
このエレベーターはドアが2方向にあり、乗り口の向い側が降り口になります。そのため、乗ってから身体の向きを変えることなく、まっすぐ歩いて降りることができます。ベビーカーや車いすを利用している場合は、向きを回転させずに乗った方向へ降りられるのでとてもラク。同乗した周囲の人に余計な気遣いをする必要もありません。
また、エレベーターのガラスには特殊なフィルムが張られ、カゴがある程度の高さまで移動すると、下半分が曇って見えなくなる工夫もされています。これは、女性の足もとなどが下から見えないようにとの心配り。こういったきめ細やかな工夫からも、設計者がさまざまな人たちへの配慮や使いやすさを追求したことがよくわかります。

1階から2階へ向かうエレベーター1階の乗り口から2階に向かって移動していくエレベーター。乗っている人は向きを変えずにそのまま降りる

エレベーターを1階から見上げる上がっていくエレベーターを下から見上げると、1階と2階の中程から写真のようにガラスが白く曇る

(日経BP社「日経デザイン」 介川亜紀 フリー記者)2012年3月23日掲載
※『暮らしのUD ホッとワクワク』の記事内容は、掲載時点での情報です。

次回予告
4月からは、新たなコラムがスタートします。お楽しみに!

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