TOTO通信 2015年春号

特集/
与件・試論・定着

Special Feature:Process Study

住宅設計のプロセスを、思いきって《与件―試論―定着》という3段階で表現してみた。住まい手である建主の要望や土地の状況などの《与件》を建築家が読み取り、その与件からさまざまな案が《試論》として考え出され、多くの対話や調整を経て最終形が《定着》する、というおよそ一般的な流れのことである。絶妙なバランスで深慮のすえに設計された住宅ほど、あたかもほかに選択肢がなかったかのように、街や暮らしと違和感なく調和している。そうした住宅はもちろん自然発生するわけではなく、多寡はあれども、与件と試論の応答のすえに生み出されたものであろう。建築家にプロセスを聞くと、「ふつうに考えただけですよ」と言う人もいるが、そこには明らかに独自の思想と才覚が表れていると思うから、少し過去におじゃまして、種明かしをしていただいた。

表紙写真/「富士宮の家」のスケッチ
提供/CASE DESIGN STUDIO