特集1/インタビュー

風力発電会社での仕事

——設計事務所ではなく、風力発電会社ですか。そこではどのような仕事をされていたのでしょう。

増田 会社が市民向けにプレゼンするための模型やジオラマを製作するアルバイトでした。大坪もお金がなかったので誘いました。アルバイトとはいっても、ぼくらはかなり真剣にやっていて、期日内に大きな模型をつくるためには戦略が必要でしたから、スケジュールを逆算してつくり方を工夫するなど、いろいろと検討しながら仕事をしていました。スケジュールがきびしく夜遅くまで作業をすることもありましたから、社長と話をする機会も多かったです。社長はぼくらのことを気に入ってくれていました。そうしたら、なんと東京ビッグサイトでやるような展示会の設営の仕事をくれたのです。

——スケジュール管理までしっかりやるアルバイトは、さぞ心強かったでしょうね。その風力発電会社からの仕事依頼は、その後も続くのでしょうか。

増田 そうですね。設営だけでなく、模型製作のアルバイトも続けていましたから、しばらくは風力発電会社からの仕事が収入源でした。また、SDレビューをとった「風がみえる小さな丘」(08)も、その会社から依頼された仕事です。風車がある日本の景色を見せるための施設です。要は景色を見せる東屋をつくりたいということでしたが、風のとても強いところでしたから、なかなか普通の東屋では意味をなさないと思いました。それで思い切って建物自体も風で揺れて景色全体に溶け込むような仮設のオブジェをつくることを考えました。


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