TOTOギャラリー・間が
30周年を迎えます

TOTOギャラリー・間は2015年10月に創設30周年を迎えます。これを記念して、アジアから5組の若い建築家たちを招きます。この困難な時代に、いったいどのように建築に取り組めばよいのか。めまぐるしく変化する世の中に、はたして建築は追いついているのか。いったい建築は日常生活にとって何なのか。それぞれの状況と課題に立ち向かう彼らの取り組みを通して、これからの新しい日常のあり方を展望します。

対談 アジア建築のこれから

エルウィン・ビライ + 藤原徹平

司会・まとめ/大山直美
写真/山内秀鬼

2015年10月から12月にかけて、TOTOギャラリー・間で30周年記念展「アジアの日常から:変容する世界での可能性を求めて」が開催されます。展示の主旨と5組の建築家について、この企画のゲスト・キュレーターであるエルウィン・ビライさんと、会場デザインを担当された藤原徹平さんにお話をうかがいます。

——30周年を記念した展覧会で、なぜアジアの建築家を取り上げることにしたのでしょうか。

エルウィン・ビライ TOTOギャラリー・間の運営委員会の席上で、東日本大震災以降、より建築の社会的責任が問われていることもあり、建築をつくることにリアリティがもてない若者が増えているという話が出ました。そういう若い人たちに何か力や刺激を与えられる展覧会にしたいと考え、目を向けたのがアジアでした。アジアはとても元気があるし、ハイスピードで変化していて、日本人にとっては身近な存在でもあるので、そこで建築をつくっている人々を紹介することで、何か得られるものがあるのではと思ったのです。

——どのような視点から、この5組を選びましたか。

ビライ すでに確立された建築家ではなく、これから前へ、未来に向かう若手のなかから、自身の哲学や信念をもってまじめに建築に取り組んでいる人、しかも大規模なものではなく、日常に密着した建築を丁寧につくっている人を選びました。展示方法もただ作品を並べるのではなく、みんなで会話ができるようなものにしたい、各国の生活から出てくる味、匂い、音を感じてもらいたいと思い、はじめは「アジアン弁当」というタイトルを考えたほどです(笑)。

——企画内容と人選について、藤原さんはどう思われましたか。

藤原徹平 ビライさんの熱い思いは伝わったものの、最初は何をどうしていいか、よくわかりませんでした(笑)。そもそも、5組の建築家もほとんど知らない人ばかりでした。ただ、いくら社会のニーズに合わせても建築自体が弱ければ意味がない、次の時代の建築の「強さ」に向き合っている建築家の展覧会にしたい、という趣旨にはとても共感しました。


>>展覧会で紹介する建築家5組を見る

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