ケーススタディ4

鋼板を
折り曲げて
つくる

作品/「海光の家
設計/岡田哲史

「海光の家」は、大海原と向かい合った、高低差のある崖地に立つ。そこに岡田哲史さんは、威圧的なヴォリューム感を抑え、開けた眺望を確保するために、鋼板を折り曲げた見たこともない構法で、透明感のある軽やかな建築をつくりあげた。

取材・文/豊田正弘
写真/上田宏

「構法とは知恵です」という、岡田哲史さんの確信に満ちた言葉から取材は始まった。その建築のつくり方はじつに明快だ。
 敷地におもむき、施主の話に耳を傾ける。すると、この土地はこういう建物になりたがっているという、空間のぼんやりしたイメージが浮かぶ。それは言語化できないものだが、ある瞬間から形をもちはじめる。その形を、どのように重力に抗して地上につくるのかを考える。そしてそのうえに知恵をのせていくことで、構法としてのバラエティが生まれてくるというのだ。
 岡田さんの建築はきわめて多様な形態や構造をもつ。その創造性は確固とした理論のうえに築かれているようだ。さっそく「海光の家」を見てみよう。


>>岡田哲史さんによる、そのほかの構法的なアプローチを見る
>>「海光の家」の図面を見る
>>「海光の家」の鋼板の詳細図を見る

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