ケーススタディ4

自由な
イマジネーションを
反映させる

 冒頭の言葉を、岡田さんはテクトニックという言葉で説明してくれた。これは、19世紀の建築家、ゴットフリート・ゼンパーに由来し、建築評論家のケネス・フランプトンが展開させた概念で、単に構造合理性をいうのではなく、構築システムを裏支えするインテリジェンスの総体だという。つまり、構法にはテクトニックがなくてはならない。
 構造力学的な正しさは、エンジニアリングの数値をみればその合理性が判断できる。しかしそれが本当に人々の生活を豊かにするかどうかが問題だ。テクトニックは、エンジニアリングでは測れない知恵。だから構法は、その建築家が生まれ育った風土、環境など、さまざまな形で受けた影響を背負っている。
 西欧で歴史を学んだ岡田さんは、歴史を知ることは知識を増やすのではなく、自分の知恵を育てることだという。構法とは、今自分がもてる知恵を、どのような形であろうと表現するものなのだ。そこには、定型化・硬直化した建築とはまったく異なる、建築家の自由なイマジネーションが反映された空間の宇宙が広がっている。


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