ケーススタディ1

建築表現の活路

 かつて戦後から高度経済成長期にかけて、カーテンウォールや石膏ボード、そしてH形鋼などの新しい建築材料が続々と日本に輸入された。その新しい材料を用いた建築の組み立て方を考案することが、設計にとって重要な仕事だった時代であったともいわれる。そのときは、多くの建築家が新しい構法にアプローチしていた。
 現代では、戦後ほどに新しい材料が一挙に導入されることはなく、過去に導入された材料の定石は、次々と社会に定着している。そうしたなかでは、新しい構法へのアプローチは、減ってきているかもしれない。
 しかし、いつの時代にも、建築を組み立て方から考えようとする建築家がおり、そうしたアプローチを、建築表現を閉塞させない活路とみることもできる。
 H形鋼は、日本ではおおよそ1960年頃から使われはじめたが、50年以上経っても、なお新しく、可能性のありそうな使い方が、「鉄のログハウス」において考え出されたのである。構法へのアプローチは絶えない。


>> 「鉄のログハウス」の図面を見る

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