TOTO通信 2014年新春号

シェアハウス 集まって暮らす試み

「シェアハウス」という名の新しい居住形式が広まっている。一説にはすでに数万戸に達しているという。1995年頃から始まって、近年急速に増加している。極端な利益追求型も発生し本来の想定を逸脱、社会問題化しているものもあるけれど、本来のシェアハウスは若い人たちを中心に受け入れられ普遍化しつつある住形式のようだ。
 建築もまたその新しい住形式に答えるべく、その形を模索している。シェアハウスにもプロトタイプを模索することができるのだろうか。
 建築ができることは何か。時代の求めに応える新鮮な居住形式としてのシェアハウス——じつはさまざまな背景のうえに成り立っているようだ。
 老朽化住宅を社会資産として再生し、街並みの景観保存の意味をもつこともある。ときには若い人たちを過疎化が進む街に引き寄せ活性化する力になりうることもある。入居者の減った集合住宅、社員寮、賃貸住宅の救済手段でもありえるようだ。また、集まって暮らせばローコストで居住スペースを獲得できるということもある。
 経済的な問題点はさておき、今注目されているのは、やはり「集まって暮らす」ということだろうか。シェアハウスを語るとき、必ず指摘されることのひとつに孤独の問題がある。都市に暮らす人たちの孤独感がその背景にあり、未婚率、結婚年齢の高齢化もあるだろう。他人同士が同じ住空間をシェアする。それはある意味で、果敢な試みといっていいかもしれない。コレクティブハウス、コーポラティブハウスとも異なる住形式。あらためて検証する意味があるだろう。

表紙写真/「LT城西」2階リビング。
写真/傍島利浩