特集/ケーススタディ1

合理性の入り口はたくさんある 都留理子建築設計スタジオ ホームページへ ミサワホーム ホームページへ Aプロジェクト ホームページへ

―― 建築プロデュースは今かなり力が出てきて、ひとつの波になっています。そのなかでも大島さんは、戸建て住宅を始められたことに大きな特徴があると思います。これまでに、建築家とはどれほどのプロジェクトを手がけてこられたのでしょうか。
大島滋 一般に公開されていないものも含めると、50~60件はあります。今では戸建てだけでなくマンションの分譲物件も、建築家と一緒に進めています。
―― Aプロジェクト(*)はミサワホームのなかでは特殊な位置付けにあると思いますが、社内で認められたのはなぜですか。
大島 業績を上げて、利益を出したからですね。私はもともと文系の出身で、建築に携わるようになったのは、ミサワホームに入社してからのことです。リフォームを行う関連企業のミサワホームイングで、長く働いていました。地域に密着して増改築の情報を集めていたのですが、あるときに大規模なニーズがあったため外部の建築家を探したことが、建築家と協働するきっかけになりました。ミサワホームに入社する前には、輸入家具商社に勤めていたのですが、そのときのネットワークが役立ったのですね。
―― そのときはどのような建築家を選んだのですか。
大島 増改築の案件は複雑な条件が重なって難しいので、ベテランで力のある方々に依頼しました。物件数が多く、また時間が限られているなかで、クライアントの要望を具現化できる建築家を選んで対応していただきました。クライアントにどのような建築家をつけるかについては、「合うな、と思える人」としか表現できません。以前には輸入家具を扱っていたのですが、家具の流通には人と人との結びつけが底辺にあります。建築家も、付き合うなかで人間性を感じ取り、パーフェクトではないにしてもクライアントに合う人を選んで紹介してきたつもりです。
―― 若手の建築家にも積極的に依頼されているのはなぜでしょうか。
大島 じつは、建築家に依頼しようと思ったのは、以前に実家のアパートの建て替えで塚本由晴さんに依頼した経験があったからです。塚本さんが設計された「パレット」(1990)という住宅を目にしてすぐに連絡をとったので、もう20年ほど前のことです。「ハスネ・ワールド・アパートメント」(95)は、みかんぐみの竹内昌義さんにも加わっていただき完成しました。そのときに、彼らがとにかく一生懸命に設計する様子を見て、つくる喜びが伝わってきたのです。ベテランの建築家に少し物足りなさを感じることもあって、若手建築家にも声をかけていきました。その後にも彼らを紹介して設計した建物がメディアに多く取り上げられたりして、可能性を実感しました。
Aプロジェクト
ミサワホームの顧客は、希望条件により、建築家に設計を依頼することができる。コーディネートはAプロジェクト、監理・施工はミサワホームが請け負う。施主・建築家・ミサワホームの共同作業により住宅を設計・施工する。現在登録建築家65名(2011年3月現在)。
URL:www.a-proj.jp/
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