特集/ケーススタディ1

設計の力を知ってもらいたい

―― プロデューサーのシステムが伸びているのは、どのような需要があるからだとお考えでしょうか。
大島 「建築家のもとに直接訪れても、言いたいことを言えない」という意見はよく耳にします。建築家に何か勝手に進められてしまうのではないか、という不安があるのでしょう。
都留 私が設計相談を受けたなかには、建築家紹介サービスで何人かの建築家と会って話をされてから来られた方もいました。建築設計事務所に直接相談するというのは、まだまだハードルが高いのでしょうね。
大島 雑誌などのメディアには建築家が多く掲載されるようになって気軽に相談できそうではありますが、実際の行動は伴っていないということでしょうね。また、今のクライアントは保守的な傾向が強いようで、建設工事中のリスク回避や建てた後の保証面から、ミサワホームがもつバックアップ体制が魅力的に映るようです。
―― プロジェクトの施工はすべてミサワホームで行うのでしょうか。
大島 そうですね。ミサワホーム独自の各種審査を通った指定業者があり、物件規模や構造形式に応じて適した業者が施工します。私たちは施工業者も信頼できる会社を選び、みなでいいものをつくろうとしています。
―― 最近のプロジェクトの動きはいかがでしょうか。
大島 去年の暮れに、20階建てで約100戸が入る分譲マンションのコンペをAプロジェクト主体で開催しました。あるクライアントから、アトリエ系の事務所にも案を考えてもらえるものだろうか、と相談を受けたことがきっかけです。アトリエ系の事務所2社と、組織設計事務所1社に声をかけました。結局は組織設計事務所に決まったのですが、このコンペではクライアントが付き合っていた設計事務所とのレベルの差が歴然としていることが明らかになったのですね。それで、以降の案件がすべてAプロジェクトに来るようになりました。設計の力をまだ知らない事業者も多いなかで、有能な建築家に興味をもつようになってもらったことは、とてもうれしいと感じています。
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