徹底した社員教育から新たなステージへ

 創業以来、右肩上がりで実績を伸ばしてきた泉北ホームだが、とくにこの2、3年の伸びは著しい。2011年は、その勢いにのって、2階建て住宅でもシェア拡大を目指す「2階建て元年」にするという。急成長の要因は何か。答えは明快だった。
「人材教育です」
 泉北ホームでは、とにかく「逆目線」での対応を徹底する。それは客の立場に立つ、というだけでなく、業者や社員同士でも同様。
「つねに相手の立場になって考える、ということです。何を望んでいるのか、どうやったらその人のテンションが上がるのか、相手の気持ちを汲み取ろうとする意識。これがやっと根付いてきたんだと思います」
 たとえば、お客さまからの電話に対する「15分ルール」。家が完成するまで、多くの不安を抱くお客さまからの問い合わせには、どんな疑問にも、必ず15分以内に折り返し連絡をとって丁寧に説明する。
 もちろん、テレビでのCM放映、ショールーム機能も併設した新社屋の建設など、ここ数年の「仕掛け」で、認知度が急速に上がったことが、受注の増加につながっているのはまちがいない。しかし、山本さんが「人材教育の成果」と即答するのは、物理的な仕掛け以上の手ごたえを感じているからにちがいない。それは、こんな言葉に端的に表れている。
「これまで営業担当者は、中途採用だけでした。22や23歳の若い子に、何千万円もするものを売らせるのは無理だ、と思っていたからです。でも、自分たちでそういう人間を育てていくことも大切だなと思って、今年初めて営業でも新卒をとることにしています」
 人材育成に目処が立ったからこその新たなるチャレンジ。社員が育っているという確かな自信と、5年、10年先を見据えた泉北ホームの経営戦略が、そこにあった。

  • 前へ
  • 3/3
  • Drawing
  • Profile
  • Data

TOTO通信WEB版が新しくなりました
リニューアルページはこちら