第10回 トイレ川柳大賞 審査員コメント

選考内容について<

今回は応募総数33,042句という多くの応募をいただき、その中から、「おしりだって洗ってほしい」のコピーライター仲畑貴志氏に選考いただき、第10回トイレ川柳記念賞(1句)・GREEN CHALLENGE賞(1句)・10・10(TOTO)賞(20句)・キッズ賞(4句)・佳作賞(20句)が決定しましたのでご紹介します。

ほんの小さなスペースのトイレですが、日常生活のなかで重要な役割を担っていることがわかる句や、様々な悩みや喜びが詰まっていることが分かる句など、たくさんの句が寄せられました。

第10回トイレ川柳記念賞・GREEN CHALLENGE賞・10・10(TOTO)賞・キッズ賞の26句については、TOTO出版発行のトイレットペーパー型のトイレ川柳集「第10回トイレ川柳大賞(¥350予定)」に掲載し11月10日(いいトイレの日)に出版予定です。

審査員コメント

コピーライター 仲畑貴志氏

10回目のトイレ川柳記念賞は、「不思議だねきれいなトイレは汚せない」(きんさんV)に決定しました。美しいものには、そのままを保持しようという心が働くものです。逆に、荒れた場は荒れた心を誘発する。人の心の不可思議さです。だったら、まめに良い環境を保持した方がお互いに心地よい。トイレは、家庭内にあっても公共的なニュアンスを持っているから、子供たちがいる家庭では、社会性育成の場ともなるのですね。
グリーンチャレンジ賞は、「音姫で私も地球もホッとする」(くまのプーさん)。水を流しつづけるよりは音姫の方がもちろん良いのです。ホッとするのもわかる。しかし、地球もホッとしているかはわからない。でも、作者の意図は届く。表現は、結果として意図を伝えるためのものですから何でもアリなのです。この、何でもアリというところが、面白くもあり、危険でもあるのです。
1010賞の過去の1番は、「このおしりトイレの歴史知っている」です。作者は68歳の亭主淡白さんですから、オムツとオマル時代を除けば、少なくとも60年ほどはトイレとの付き合いはあり、その歴史もご存じでしょう。よく行く料理屋のトイレが和式で、いくらいってもそのままなので、しかたなく自分で洋式に変えたことがあった。
1010賞未来の1番は、「近未来トイレは家の保健室」(HOYA高校)。学校の保健室に救われた人も多いことでしょう。体はどこも問題ないのに保健室に行く。心のほうが、ちょいと問題なんですが、トイレもそういう場所として使われることもある。もちろん、尿から得る情報をはじめ、保健のための機能は、今後も増えて行くでしょう。
KIDS賞は、「できたよできたさよならオムツ」(きいろ)。どんなに威張っている大人でも、必ず一度は通過している。
ちょうど10年目の今回も、心の機微に触れるよき作品が集まりました。ありがとう。

仲畑貴志