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伊丹潤/手の痕跡
 
伊丹潤/手の痕跡
企画/編集=ITM ユ・イファ アークテクツ、伊丹潤・アーキテクツ
発行年月=2012年4月
体裁=183×183mm、並製、160頁
ISBN=978-4-88706-327-3

ブックデザイン=榮元正博

定価=本体2,200円+税
伊丹 潤の手から奏でるスケッチの線は詩のようである。
そこから感受する言葉は、ひとりの建築家像を顕にする。
本書は2011年6月に74歳で急逝した建築家、伊丹潤氏が描き続けたスケッチとドローイングを、主要作品ごとにまとめた作品集です。「私が最後の手の建築家だ」と語り、常に手を動かすことで、デザインをまとめあげていった伊丹氏の作品は、素材への優れた理解と感性、プロポーションの良さにおいて、他に追随を許さぬものであったといえるでしょう。陰影の深い印象的で豊かな空間をうみだしたプロセスが数々のスケッチに表れています。

伊丹氏は、建築設計をコンピュータで行うことが主流となっていく中、スケッチを描くことについての言葉を数多く残しています。

「真向から、立ち向かって、実体化されてゆくであろうその茫とした立体の輪郭とその連続、それらを抱きとめるその瞬間、建築としてのエスキースを超えて、新たなる表現の覚醒とでもいおうか、奥深い魂のような、ある対象に出会う。その対象がくっきりと浮きたつとき、それを建築への調律としたい」(本書内「新たなる記録へ」より)

本書には伊丹氏のエッセイ3本を収録しています。さらに、グローバルな視点で建築・美術界を見続け、デビュー当時より氏の作品を見てきた建築史家の三宅理一氏と、現代建築を鮮やかに論ずる新進気鋭の建築史家、倉方俊輔氏による伊丹論を2本、そして親交の深かった建築家の坂茂氏の寄稿を収録しています。
立ち読み
プロフィール
伊丹潤 Jun Itami
1937年東京都生まれ。1964年武蔵工業大学建築学科卒業。1968年伊丹潤建築研究所設立。2002年ITMユ・イファ アーキテクツ開設(韓国)。2006年株式会社伊丹潤・アーキテクツ新設。2009年~済州国際教育都市マスターアーキテクト就任。2011年6月逝去。 主な受賞:2005年フランス共和国芸術文化勲章「 シュヴァリエ」、2006年金壽根文化賞、アジア文化・景観賞(国連人間居住計画 UN-HABITAT主催)、2008年韓国建築文化大賞優秀賞、2010年村野藤吾賞など。
主な作品:「墨の家」(東京都/1975)、「温陽美術館」(韓国、温陽/1982)、「石彩の教会」(苫小牧市/1991)、「墨の庵」(東京都/1998)、「ゲストハウスPODO Hotel」(韓国、済州島/2001)、「三つの美術館」(済州島/2006)、「二つの手の美術館」(済州島/2007)、「空の教会」(済州島/2009)「ソウルの集合住宅」(韓国、ソウル/2010)など。主な著書に『ITAMI JUN 1970-2011 伊丹潤の軌跡』(クレオ/2011)など。
目次

母の家
脇田和のアトリエ
墨の家
余白の家Ⅱ
温陽美術館
彫刻家のスタジオ
刻印の塔
石彩の教会
M ビルディング
墨の庵
ゲストハウス Old New
PINX パブリックゴルフクラブハウス
PINX メンバーズゴルフクラブハウス
ゲストハウス PODO Hotel
三つの美術館
二つの手の美術館
空の教会
済州島の集合住宅
オペルゴルフクラブハウス
ソウルの集合住宅
Leeビルディング
済州国際英語教育都市

テキスト
新たなる記録へ……………………………伊丹 潤
儚さと、激しさと……………………………三宅理一
消えない風景……………………………伊丹 潤
小論 MODERN・KOREAへ……………………………伊丹 潤
大地から切り出された器物のように……………………………倉方俊輔
物づくりに徹した建築家・伊丹 潤……………………………坂 茂

略歴
クレジット

関連書籍
ドローイング集
監修協力=グレン・マーカット
著者=マリアム・グーシェ、トム・ヘネガン、キャサリン・ラッセン、勢山詔子
写真=アンソニー・ブローウェル
ドローイング集
企画・編集=ギャラリー・間
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著者=倉俣史朗
関連展覧会
2012年4月17日―6月23日
関連講演会
2012年5月17日(木)|建築会館ホール
パネリスト=三宅理一、倉方俊輔、ユ・イファ、田中敏晴