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北欧のノーマライゼーション
 
北欧のノーマライゼーション
エイジレス社会の暮らしと住まいと訪ねて
著者=田中一正
写真=川口正則
発行年月=2008年9月
体裁=A5判(148×210mm)、並製、136頁
ISBN=978-4-88706-297-9

編集・デザイン=宮田哲夫(DESK)、彦坂進一(Ad·Popolo)、山本真太郎(DESK)

定価=本体1,400円+税
 本書は、大和ハウス工業株式会社シルバーエイジ研究所所長を務めた田中一正氏が、高齢者福祉の分野でもっとも進んでいるといわれているスウェーデン、デンマークを視察し、その旅の経験を、美しい写真とともに綴ったレポートです。
ノーマライゼーションとは、高齢者や障がい者などを施設に隔離せず、健常者と均等な生活ができる社会、つまり「誰もが普通に暮らせる」社会が正常な社会のあり方とする考え方です。
 世界でもいち早く高齢者社会と向き合ってきたスウェーデンとデンマークは、今なお高齢者問題と向き合い、より高度で洗練された高齢者福祉を目指して挑戦しつづけている国といわれています。ふたつの国に共通するのは、「誰もが平等に参加できる」成熟した社会です。本書はスウェーデンとデンマークを「ノーマライゼーション」という観点で読み解きます。高齢者は社会にどう受け入れられているのでしょうか。高齢者問題に社会はどう対応しているのでしょうか。
 スウェーデンとデンマークの高齢者の住まいや暮らし方を、専門家の目を通して分かりやすく紹介することで、北欧と同じく高齢者社会を迎えている日本のこれからを示唆します。
著者プロフィール
田中一正(Tanaka Kazumasa)
1952年滋賀県生まれ。立命館大学理工学部土木工学学科卒業。1975年大和ハウス工業株式会社入社。滋賀特建営業所長、東日本シルバーエイジ研究所長、西日本シルバーエイジ研究所長、総合技術研究所副所長を歴任。シルバーエイジ研究所は、大和ハウス工業における医療・福祉分野の施設建設を専門に行うセクションとして1989年に設立、病院・老人保健施設・有料老人ホーム・グループホームなどのマーケティング、建設・運営の企画提案など、幅広く活躍している。 現在、大和ハウス工業における新規事業であるロボット事業推進室長。
川口政則(Kawaguchi Masanori)
1959年大阪府柏原市生まれ。写真家。企業広告を主に、風景、社会的ルポルタージュ、ファッション写真、ポートレイトなど撮影分野は多岐にわたる。近年は、高齢化社会をテーマに撮影を続けている。「2006年日経ヘルスケア21広告賞」受賞。
目次

はじめに

第1章 ノーマライゼーションの国
 ノーマライゼーションが浸透する国スウェーデン/誰もが普通の生活を普通にできる権利/ユニバーサルにみんな使いやすく/当たり前のことを当たり前にする

第2章 シニア住宅「ローデット」ではじまる新しい人生
 同居しない親子、自立する高齢者たち/誰にも気がねせずに人生を楽しみたい/生涯現役、人生に定年なし/広い戸建て住宅は独り暮らしには住みにくい

第3章 グループホームに暮らす
 スウェーデンで生まれたグループホーム/認知症高齢者のもの一つの我が家/建築家ハンス・ウィーランドさんの設計手法/グループホームの環境は介護の一部です

第4章 「フォルクヘメット=国民の家」と「連帯の精神」
 互いに助け合って生きる大切さ/スウェーデンのリアリズム/福祉にも民間活力導入の新しい文化

第5章 生活者の目線 デンマーク
 苦しみのなかから絞りだされた知恵/不可能を可能にしてデンマークミラクル/地域居住の一つのユートピア、ソフィールンド/高齢者福祉3原則、状況に応じて常に柔軟に/高齢者の年金にも課税、納税は社会の一員である証/独り暮らしでも介護が必要になっても不安はない/住み替えは身体も気持ちも元気なうちに

おわりに ~北欧の「今」は「日本」の未来~
我が同士の「北欧のノーマライゼーション」に思う
(寄稿:大阪市立退学大学院生活科学研究所教授 白澤政和)
スウェーデンとデンマークの医療・福祉政策の変遷