TOTO
日本の家
 
日本の家
空間・記憶・言葉
9刷
著者=中川武
発行年月=2002年6月
体裁=菊判(220×152mm)、上製、272頁
ISBN=978-4-88706-212-2

デザイン=緒方裕子(緒方デザインルーム)

定価3,143円(本体2,857円+税10%)
かつて家には流れが、響きが、営みがあった。
日本の家には、伝統的に受け継がれてきた豊かさが多くあります。本書はこれらの豊かさを、現代住宅から徐々に姿を消しつつある25個の言葉として拾い集め、その歴史と変遷を、 近代日本建築史を専門とする著者がやさしくひも解いたエッセーです。
たとえば「大黒柱」「縁側」「上がり框」「格子」「襖」……。それらひとつひとつの言葉に、 木と紙と土という自然の素材だけで作り上げた家に住み、四季折々に自然と共存しながら暮らしを営んできた、日本人の知恵が込められています。こうした言葉を、その表わす意味によって「仕切り」「しつらい」「素材」などの章で分け、それぞれの言葉が指すものが家の中で どのような役割を果たし、また生活の中で何を担ってきたのかを豊富な写真とともに綴っています。
「住まいの言葉」という切り口で描く、日本の生活文化の原風景。25編のストーリーを通して、しきたりを重んじ、自然とともに生活を営んできた日本人の、美意識と合理性を感じていただけることと思います。
著者プロフィール
中川武 なかがわたけし
1944年 富山県生まれ。早稲田大学大学院博士課程修了。現在、早稲田大学教授。建築史学会会長、日本国政府アンコール遺跡救済チーム団長、ヴェトナム・フエ・ユネスコ会議国際専門委員等を務めている。2002年 日本建築学会賞業績評価部門賞を受賞。主な著書に『建築様式の歴史と表現』(1995年彰国社)、監修書に『日本建築みどころ事典』(90年東京堂出版)、『数寄屋の森』(95年丸善)など。
コンテンツ

はじめに
境界空間・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  三和土(たたき)
  上がり框(あがりかまち)
  沓脱石(くつぬぎいし)
  縁側(えんがわ)
  土庇(どびさし)
仕切り・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  格子(こうし)
  葦簀(よしず)
  襖(ふすま)
  雪見障子(ゆきみしょうじ)
場・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  囲炉裏(いろり)
  風呂(ふろ)
  茶の間(ちゃのま)
  勝手(かって)
部位・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  大黒柱(だいこくばしら)
  長押(なげし)
  押板(おしいた)
  天井(てんじょう)
しつらい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  畳(たたみ)
  箱階段(はこかいだん)
  箪笥(たんす)
素材・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  漆(うるし)
  瓦(かわら)
象徴・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  仏壇(ぶつだん)
  表札(ひょうさつ)
  地鎮祭(じちんさい)
用語解説
あとがき

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編者=早稲田バウハウス・スクール
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