開発者が語る機能誕生秘話

「においきれい」
開発秘話

「においきれい」開発秘話

ウォシュレット開発第2部※
尾関重宣

ウォシュレットの開発にたずさわって約2年になる尾関重宣。“悪臭のソムリエ”と言われる臭気判定士の資格を持つ尾関が取り組んだのは、トイレとは切っても切れない“ニオイ”の新たな解決法でした。
トイレ使用直後のニオイに対処する「オートパワー脱臭」に加え、いつも感じるトイレのこもったニオイに対処する機能「においきれい」とは、一体どのような仕組みなのでしょうか。開発のきっかけから、試行錯誤を経てたどり着いた機能についてお伝えします。

「においきれい」の開発のきっかけを、
教えてください。

2012年にネオレストを発売した際、実際に使用されているお客様から「これまで毎日掃除をしても取れなかったしつこいニオイが、取れるようになりました!」という嬉しい声をいただきました。実は、そのお客様は人一倍キレイ好きで、ニオイについても感度の高い方なんです。 毎日の掃除でもとれなかったニオイがなぜ取れたのか理由を探っていったところ、日頃のお掃除ではお手入れしにくいところに飛び散った尿が原因になって発するニオイなどに、「きれい除菌水」の効果が出たのではないかと考えたんです。

「きれい除菌水 ※1」は、
便器ボウル面の除菌に使用されている水ですよね。

はい。水に含まれる塩化物イオンを電気分解して、除菌成分(次亜塩素酸)を含む水に変化させたのが「きれい除菌水」です。これをノズルの洗浄や便器ボウル面に吹きかけて、汚れを元からきれいにすることで、自動できれいが長持ちするトイレが実現したわけですが、今回はさらに一歩進んで、「きれい除菌水を利用して、自動でトイレ空間の継続臭(こもったニオイ)を抑える」ということを考えました。
最初は、空気中にミスト状にした「きれい除菌水」をスプレーのように撒く方法を考えたんですが、実際に装置でやってみると効果は出たのですが、水浸しになってしまって(笑)。
そこで、「オートパワー脱臭」と同様に、ファンで空気を吸い込み、においきれいカートリッジに通してみました。そうしたら、空間中のニオイ物質の濃度が、目に見えて下がっていくのがわかったんですね。それで「これはいけるな」と思いました。その後、さらに工場内にトイレを設置して、効果検証を行いました。

ニオイ成分をにおいきれいカートリッジで捕集して脱臭

約10カ月使用後の臭気強度比較

試験条件※4

どのような効果検証が行われたのでしょうか。

全く掃除をしない状態のトイレを2つ用意して、片方に「便器きれい」と「においきれい」を搭載したモデルを、もう片方に両方とも搭載されていないモデルを入れて、実際に使用して検証を重ねています。もう1年以上、全く掃除をしない状態を続けていますが、驚いたことに「においきれい」を搭載した方のトイレは、不思議とニオイをあまり感じないのです※2。これは凄いことではないかと思います。

その「ニオイを感じない」というのは、
具体的にはどの程度なのでしょうか?

ニオイの強さは「臭気強度」で表されますが、私たちの日常生活のほとんどの空間は「臭気強度1」です。「臭気強度0(ゼロ)」ということはありません。たとえば、友達の家に遊びに行った時に、別に臭くはないけれど、何かわからない程度の家のニオイを感じたことはありませんか? その程度のニオイが「臭気強度1」なんです。
前出の検証空間でお掃除をしていない状態で約10ヶ月経過した状態では「臭気高度2.5」でしたが、「においきれい」で対策をすれば「臭気強度1」程度で保つことが可能なんです ※3 。やはり、「便器きれい」でニオイの元となる汚れの発生を抑制し、「においきれい」で空間のニオイ成分を捕集することで、ずいぶんと差が出てくるようです。

臭気強度の目安

尾関さんは、臭気判定士の資格をお持ちですね。

今の部署に来る前、研究所で基礎研究にたずさわっていた頃に取得しました。当時、臭気について調べていた関係で、職場のメンバーと一緒にトライしたんです。臭気判定士は、基本的に工場の排水や排煙などが基準値以下に保たれているかどうかの判定をするための資格なのですが、生まれつき鼻が良くないと取れない資格ではありません。でも、試験では実技もありますし、鼻が利くようにしておかないといけないので、それまで吸っていたタバコはキッパリやめましたね。 研究所の先輩には、私よりもさらに鼻が利く人がいて、ちょっとニオイを嗅いだだけで、その物質が何かわかるんです。その先輩に教えてもらって、嗅覚を良くするためのサプリメントを真似して飲んだりしています。ニオイを極めるために、いつも嗅覚を敏感に保てるように心がけていますね。

「においきれい」で、
あらためて「きれい除菌水」の凄さを実感しました。

これは余談ですが、実は「きれい除菌水」の開発時、私は研究所におりました。当時、開発グループから依頼されて、全国各地から取り寄せた水道水のサンプルの分析・調査を担当したのを覚えています。水道水は、全国各地で水質が異なるものなのですが、たとえ水質が異なっても、全国のお客様のもとで「きれい除菌水」の効果を発揮できるように、広範囲にわたる調査を実施しました。5年以上前のことですが、サンプルの数は約170で大変だったことを覚えています。そんなことを思い出すと、「においきれい」については、個人的にも、とても感慨深く、思い入れがあります。

臭気強度の目安

今後の開発にあたって、尾関さんが
注目するポイントはどの辺りにあるでしょうか。

除菌をもっと極めることを考えたいですね。最終的な目標は、水回りのすべてにおいて、ニオイと汚れを克服していきたいということですね。まだまだやるべきことは、たくさんあります。

※所属部署・内容は取材当時のものです。

【※1】

試験機関:(一財)北里環境科学センター
試験方法:電解水の除菌効力試験
除菌方法:電解した水道水と菌液を混合し除菌効果を確認
試験結果:99%以上(実使用での実証結果ではありません)
効果効能:「きれい除菌水」は、汚れを抑制するもので清掃不要になるものではありません。使用・環境条件(水質や対象物の材質・形状など)によっては、効果が異なります。水道水を除菌したという意味ではありません。

【※2】

検証例における個人の感想です

【※3】

集じん機能はありません。すべてのニオイ(タバコ臭・建材臭など)を除去することはできません。タバコに含まれる有害物質(一酸化炭素など)は除去できません。ニオイの感じ方は個人差・体調・環境条件によって異なることがあります。使用・環境条件(トイレ空間の大きさ・温度・湿度・水質など)によって効果が異なります。発生している臭気(強度)を低減する機能です。ニオイが完全になくなる機能ではありません。

【※4】

  • ○評価機関:西日本環境リサーチ株式会社
  • ○試験方法:きれい機能ありときれい機能なしで10カ月使用後のトイレ空間のニオイを6段階臭気強度表示法にて評価
  • ○抑制の方法:きれい機能あり「においきれい」(連続運転)と「便器きれい」を動作。きれい機能なし 「においきれい」「便器きれい」を停止
  • ○対象:3㎡(0.5坪相当)のトイレ空間
  • ○使用条件:4人家族、使用回数3回/人・日 2013年12月〜2014年9月の間の使用。(トイレの掃除をしていません)
  • ○試験結果:「きれい機能あり」臭気強度1、「きれい機能なし」臭気強度2.5
  • ※使用・環境条件(トイレ空間の大きさ・温度・湿度・水質など)によって効果が異なります。

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