オストメイトの方は人に言えない不安や悩みを抱えています。
(社)日本オストミー協会推奨プランのご紹介〜

オストメイトの方が困っていること
ストーマー装具(補装具の一種)について
ストーマには括約筋がないので、排せつ物を一時的に受けて便器へ排出するためのストーマ装具が必要となり、オストメイトはこれをストーマ部位に装着しています。ストーマ装具は、ストーマ周囲の皮膚へ密着させる皮膚保護剤の部分とこれに接合のパウチ(ストーマ袋)で一式となっています。
排泄処理方法
通常の場合は、ストーマ装具にたまった排せつ物をパウチから便器や汚物流しへ排出し、一定サイクルで行うストーマ装具交換時には、ストーマ周囲の皮膚を石けんと温水で洗浄します。しかし、水様性の便や軟便、下痢便がストーマ装具から漏れ出すなどトラブル発生の緊急時には、ストーマ装具一式を取り外し、皮膚に付着した排せつ物を石けんと温水で洗浄した後、ストーマ装具を再装着することになります。
ストーマ装具交換時のご要望
その人の排せつ物の状態・種類によって、ご要望は異なります。
| コロストミー (軟便〜固形の便) |
イレオストミー (主に水様の便) |
ウロストミー(尿) | |
| 通常時 | ストーマ装具内の便をしっかり洗浄したい | ストーマ装具内の便を洗浄するほかに腹部も洗浄したい | ストーマ装具についた尿を洗浄したい |
| 新しいストーマ装具と交換するために、装具をはずした後の皮膚に付着している粘着剤などをきれいに落としたい | |||
| トラブル時 | 腹部や汚れたストーマ装具、衣服を洗浄したい | ||
オストメイトの方は外出先で安心して使えるトイレを待ち望んでいます。
社団法人
日本オストミー協会
会長 新井 貢様
(社)日本オストミー協会の前身「互遼会」が発足した昭和44年ごろは、ストーマ手術は欧米から技術移植され実施されたものでしたが、アフターケアについてまでは追いつかず、先行する欧米諸国に比べてかなり低い水準にありました。従って、医師や看護師はオストメイトの愁訴にはほとんど対応できず、さらにはストーマ装具も満足なものが入手できない状況にありました。
そのため、オストメイトは外出することが困難で、それがオストメイトの社会復帰を難しいものにしていました。
このような環境を少しでも改善するために、当協会は発足当初から関係方面に対してオストメイトのQOL(Quality of Life:生活の質)向上を訴えてきました。その結果、オストメイトの窮状は、ストーマ造設手術の進歩、ET/WOCN※など専門看護師の養成、ストーマ装具メーカーの製品改良などによって、少しずつ改善されるようになりました。
近年、オストメイトの三つの不安(外出時/災害時/老後)解消を図るために、オストメイトの社会的認知拡大に力を入れていますが、その一つとして公共的施設のトイレにオストメイトに配慮した設備の整備をアピールする運動を進めています。この運動は、社会のご理解を得て予想以上の成果を上げており、オストメイトが安心して外出できる環境が整いつつあります。改めて、行政はじめトイレメーカーなど関係各位に御礼申し上げます。
このように、オストメイトを取り巻く環境は大幅に改善されてきましたが、まだ未整備の部分も残されています。その一つが、高齢のオストメイトに対する介護サービスの問題です。現在、高齢者の介護施設では、オストメイトの受け入れ態勢が必ずしも十分とはいえない状況にあります。また、ストーマ装具の交換が医療行為ということで、介護職が手を出せないなど介護の現場では困った状況が続いています。私どもはオストメイトの高齢化を迎えて、オストメイトの安心と安全を踏まえた介護サービスの確立を厚生労働省はじめ関係機関に要望しています。
また、地震など大規模災害時には、避難所でのストーマ装具の緊急支給やストーマ装具の交換場所の確保など、オストメイトに対する避難支援を地方自治体に整えていただくよう要望しています。
厚生労働省の福祉行政報告の統計データによると、平成17年度におけるオストメイトの身体障害者手帳所持数は約15万人となっています。世代も若い方から高齢者までさまざまですが、社会の理解が得られずに苦しんでいる方もまだたくさんおられます。当協会としては、こうした方々の社会復帰とQOL向上を図るためにより一層努力し、オストメイトが安心して暮らせる社会を目指してこれからも活動してまいります。また、アジアの開発途上国への支援を含め、国際協力も強化していきたいと考えています。
バリアフリー関連の法律や条例でもオストメイト配慮が強化されています。
[バリアフリー新法]
移動等円滑化基準(建築物、旅客施設、公園、道路が対象)では、トイレ内にオストメイト配慮設備(水洗器具)を設けた便房の設置を義務付けています。(建築物は施設内で1ヶ所以上)
移動等円滑化誘導基準(認定取得に必要な基準で建築物が対象)では、トイレ内にオストメイト配慮設備(水洗器具)を設けた便房の各階設置を推奨しています。
[オストメイト対応トイレ設備緊急整備事業]
厚生労働省により2006年度の補正予算として障害者自立支援対策臨時特別交付金が交付されます。公営の施設のトイレ改修の際、オストメイト対応トイレの設備費(器具代)に補助を出すものです。(2011年度まで。詳細は各地方公共団体にご確認ください。)
オストメイト配慮トイレ設計のポイント
(1)汚物流し設置
オストメイトの方がストーマ装具の洗浄や汚れ物を洗える設備として「汚物流し」や、汚れた腹部を洗えるお湯の出る「シャワー付水栓金具」を設けることをおすすめします。

(1)汚物流し
オストメイトの方の使いやすさにこだわった汚物流し。8L節水のフチなしトルネードを採用した一体形デザインです。鏡が正面にあるので、腹部の確認がしやすくなりました。またライニングは荷物を置くのに最適な高さです。
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(2)パウチ・しびん洗浄水栓