大きな空と庭を内包した浮遊する箱

上部にトップライト、横には小窓を設け、入浴中の心地よさに配慮した。黒のタイルで落ち着いた雰囲気を演出。

コンセプト

浴槽の白とタイルの黒のコントラストが美しい浴室。浴槽上部は高く抜けて、トップライトから柔らかな光が舞い落ち、浴槽脇にある小窓から顔に当たる風が清々しい。
設計者の小津誠一さんと長谷川勉さんは、それぞれ別の事務所を主宰しているが、仕事によってたびたび協働しているという。二人はこの家の浴室に関しては、夜はもちろん、昼間もゆったりと快適に過ごせるよう、心地よさの設計に気を配ったと語る。機器類の選択で建主がこだわったのは使いやすく、メンテナンスが安心であること。さらにエコ的な視点から、高断熱浴槽が選ばれた。
この住宅の特徴は何と言っても、敷地中央に広がる大きな庭にある。建主夫妻は設計中にも家族が増えたという、子育て真っ盛りの30代。夫妻が望んだ、広い庭と空が見える開放的な空間を実現するため、敷地をL字形の建物で囲み、外部に対しては閉じながら、内部に開けた空間を生み出している。

浴槽は保温効果の高い高断熱浴槽を採用。小窓からは風呂に浸かって眺めるために設けた庭の緑が見える。

敷地が広く、容積率も建蔽率も余裕がある場合、むしろ設計者にとっては拠り所がなく、悩ましいことが多い。ここでは、まず構成のルールをつくり、それを元にプランを考えたという。そのルールとは、水まわりや階段などを内蔵した構造体の箱(コア)を間隔をあけて複数配置し、箱と箱の間を部屋にするという一種のコアシステム。箱には内外とも木を張り、視覚的にもコアであることを明確にした。外から見ると、まるで木の箱に持ち上げられた白い箱が浮遊しているようだ。
1階はサッシを引き込むと庭と一体になるパブリックスペース、2階は閉じたプライベートスペース。リビングは吹き抜けを通じて2階とつながり、子ども部屋の気配が感じ取れる。また、2層を貫く木の箱に納まったコックピットのようなキッチンからも、2階の様子がうかがえ、1階全体が見渡せる。開放性のみならず、家族の気配を伝え合うこまやかさをも持ち合わせた大空間である。

東側外観。隣地はまだ空き地なので、どんな建築物が建ってもいいように閉じたつくりにした。

写真一覧

建主の希望で、大きなオーバーヘッドシャワーを取り付けたシャワーブース。浴室とはガラスで隔てて、開放的に。

1階は全面開口で、中央の広い庭に対して大きく開いている。2階は階段や廊下に大開口を設け、各部屋は小窓で採光、通風を図った。ガラス越しに構造体の木の箱が見える。

庭と一体になるリビング。室内にいるときの安心感や落ち着きを考慮して、あえてサッシの高さを2.4mに抑えた。

2階の子ども部屋。左がリビング上部の吹き抜け。間仕切り壁はつくらず、引き戸で仕切れるようにしてある。

南側外観。白い箱が浮かんでいるように見える。

キッチンと階段を組み込んだ木の箱(コア)。左手前の吹き抜けがリビングと2階の子ども部屋をつないでいる。

DATA

千葉の家

床面積

376.68m²

建築概要

所在地 千葉県
主要用途 専用住宅
設計 小津誠一 /
有限会社E.N.N. 一級建築士事務所・studio KOZ. + 長谷川勉 /
ビーフンデザイン H-STUDIO
構造設計 我伊野構造設計室 G.DeSIGN

主なTOTO設備

浴槽 PVY161CSRF
オーバーヘッドシャワー TBX18A2
ハンドシャワー TBX19A1
シャワー切り替えバルブ TBX6A
シャワー水栓 TBX43A