空と海を切り取る

最上階にある眺望満点のバスルーム。斜めの壁と天窓に囲まれた空間から、空と海だけが見える

コンセプト

ここは夫婦+子ども3人の5人家族が週末を過ごす別荘。その最上階の特等席に配した浴室から見えるのは、青い空と海。晴れた日には海の向こうの三浦半島も望めるという。
都心を離れてゆったり過ごしたいから「木の家」がいい、最上階には露天風呂がほしい──打ち合わせで建主が語った夢を実現するため、設計に当たった下平万里夫氏が考えたのが、現在のユニークな六角形の建物。LDKは海が見える2階に配したいし、海に面した側はできるだけ全面オープンにしたい。また、塩害や強風に耐えるにはなるべく外壁の面積を小さくしたほうがいい。こうした条件を満たすべく、橋梁などに用いるトラス構造の木造3階建てを採用した結果、生まれた形だ。これによって海側に耐力壁が不要になり、LDK、浴室、寝室のすべてから海が一望できる開放的な住まいが実現した。

トラス構造から生まれた六角形の木造3階建て。手前は2階に直接上がれる外階段

トラス構造のてっぺんの逆三角形部分に納まったバスルームは、両サイドの斜めの壁とガラスの天井に囲まれているため、バスタブに浸かると前の道路も見えなくなり、ちょうど空と海だけが見える。
建築家自身も湘南に自宅兼事務所を構え、マリンスポーツを満喫しているだけに、ここでも眺めるだけでなく、目の前の海を遊び場として活用するための工夫が満載。浴室とは別に1階にはシャワールームを備え、水着で2階のデッキに直接上がれるよう外階段を設け、LDKは土足OKのタイル敷きに。外階段と2階をつなぐ橋は跳ね上げ式で、不在時や夜間は防犯上、閉鎖できるしくみ。
大勢のゲストが集うことが多いこの家では、バスルームにも水着のまま、子どもたちがわいわい上がり込んで、プールのように楽しむことも珍しくないそうだ。

海に面した東側から見たところ。最上階の中央に見える逆三角形部分がバスルーム

写真一覧

外階段と2階のデッキを結ぶブリッジは跳ね上げ式。防犯上、使わないときは閉鎖できる

3階寝室。三角形の窓からは海から上る美しい朝日が見えるという

2層が吹き抜けた開放的なリビング。天井高は最高で約6m。床は土足で生活できるよう、タイル貼りに

DATA

ルーフバスの家

床面積

130.32m²

建築概要

所在地 神奈川県足柄下郡
主要用途 週末住宅
設計 下平万里夫 横山真人 /
株式会社MARIO DEL MARE一級建築士事務所
施工 石綿建設

主なTOTO設備

浴槽 PVS1620#369