GREEN STORY エコの裏には物語がある 進化を続ける、TOTOの節水・エコ商品。誕生までのストーリーを、開発担当者のインタビューでご紹介します。

Vol.34

常識を変える水栓は、きっとつくれる。

祝! 建築設備技術遺産認定
「アクアオート」の誕生と進化を支えた想いとは。
<誕生編>

2017年5月、TOTOミュージアム所蔵の「光電センサー内蔵自動水栓」(=「アクアオート」)が建築設備技術遺産に認定されました。センサー式水栓の技術進歩の原点として、パブリックおよび家庭水栓の進化に大きな影響を与えたことが評価されてのことです。初代アクアオートの誕生から約30年。当時の開発を担った二人の「レジェンド」と、これからの進化を担う「ホープ」を訪ね、ここでしか聞けない貴重な開発秘話をお聞きしました。その内容を、これから3回に渡りお届けします。

「水栓がぐらつく」とクレームが多発!
張り込み調査をしてみると……

そうした技術的難題をクリアして、ついに84年、「初代アクアオート」が誕生したというわけですね。でもそこからが、実はもう一つの苦労の始まりだったと……

田中 初代を発売したあと、「吐水口ががたつく」というクレームが立て続けに入ったんです。でも、洗面器にナットで固定する取り付け方法は普通の水栓とまったく同じなので、「アクアオート」だけクレームが来るのはおかしいぞ、と。「これは現場を見るしかない」と、張り込み調査に行きました。

えっ! トイレに張り込んだのですか?

田中 高速道路のパーキングエリアのトイレにね(笑)。二人で行って交代しながら、二日間。暑い日だったなぁ、よく覚えていますよ。トイレを観察するなんて失礼なことだから道路公団からは嫌がられたけど、そこをなんとかってお願いして。そのとき初めて、お客様がどんなふうに水栓を使っているかが分かったのです。

狙いとはまったく違う使われ方だった?

田中 いやぁ、もう! まず水栓を見るでしょ、するとハンドルがない。一応、使い方を壁に貼っていたのですが、ほとんどの方は見ていません。じゃあ、みなさんどうされるか。

なんとなくいろいろと手を動かして、たまたま検知されて気付く方。水栓自体がハンドルじゃないかと、水栓を回そうとする方。そういう方が何人かいて、それで固定部分が緩んでいたんですね。結局水が出ず、あきらめて立ち去る方もいらっしゃいましたよ。

「使い方が分からず、水栓を叩く方もいましたよ(笑)」と田中さん。
それまではほとんど意識することなくハンドルを回していたのに、それがなかったら「なんだこれは?!」ってびっくりしますよね。

田中 でも、使い方がわからないのは仕方がないんですよね。今まで使ったこともなければ、存在すら知らない水栓なのだから。
当時は小学校から、「学校では採用できない」と言われたりもしました。子どもたちが「水道は手を差し出せば水が出るものだ」と覚えてしまうからって。

今はそれが普通なのに、当時は異例なものとされていた……。

田中 だから、これは啓発しないとなぁ、と思いましたね。2代目からは思い切って、水栓本体に「自動」と書き、手のアイコンをつけました。蛇口の先端に。ここなら絶対見ますから。デザイナーからは文句を言われましたよ(笑)、でもこっちは普及の夢を見ているからね。今は啓蒙期だからってことで割り切って。そのおかげもあって、2代目以降はだいぶ使い方が認知されるようになりましたね。

水栓本体に手を洗うイラストと「自動」の文字がデザインされた2代目アクアオート。
想定外の困難を乗り越えながら、徐々にパブリックシーンに浸透していったアクアオート。その後、2代目、3代目、そして現在の7代目と、著しく進化を遂げていきます。一体、どこがどのように変わっていったのでしょうか? その詳細は、また次回!
ここにも注目!

今からでは考えられない!?
たった数名で行われていた歴史的開発

日本の水まわりの歴史をつくったともいえる、「ウォシュレット」や自動水栓などの画期的商品開発。一体何名くらいの体制で行われていたのかとお聞きしたところ、「部署にチームリーダーが一人いて、あとは個々の商品に二,三名」!あの「ウォシュレット」の開発でさえ、たった四名で行われていたそう。当時、アクアエレクトロニクス商品の開発は、TOTO社内においてもマイナーなチーム。期待や背負っているものが少ない分、自由にやれたと田中さん・濱中さんは笑います。しかし一方で、人がいない分、一人がやるべきことは膨大。当時は休みもなく開発に没頭されたとか。
「しんどいことも多かったけど、その分やりがいも大きかった。その経験が次のプロジェクトの糧になりましたね。助け合いながらやっているうちに事業部署間のつながりが活発化し、今のTOTOは非常に柔軟な開発体制ができているんですよ」
常識を変える歴史的開発に必要なのは、人数の多さよりも、開発者それぞれが持つ「あつい想い」なのだと実感した秘話でした。

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