Vol.11 節水&浴び心地を極めた 脈動エアインシャワーが世界にはばたく。

Vol.11強弱あるエアイン水粒で「たっぷり感」がよりアップ!節水&浴び心地を極めた 脈動エアインシャワーが世界にはばたく。Text:Yayoi Okazaki Photo:Hiromitsu Uchida

TOTOエアインシャワーは、水に空気を含ませることで節水と浴び心地の良さを両立させた画期的な商品です。
その「浴び心地」をさらに追求した「脈動*(みゃくどう)エアインシャワー」がオーバーヘッドシャワーとして今年誕生。
空気を混入した大きな水粒をごく短い周期で強弱をつけて放出。
エアインならではの「たっぷりな量感」がより楽しめる世界最先端のecoシャワーです。
この「脈動エアインシャワー」は高級感あるデザインと新感覚の「浴び心地」の提案で、海外でも大きな反響を呼んでいます。
今回はTOTOならではの最先端技術と人の感覚を数値化した感性工学が結実した「脈動エアインシャワー」開発のストーリーをお届けします。

*脈動(みゃくどう)とは? 脈が打つように周期的に絶えず動いていること。

三浦 彰司(みうら・しょうじ)

機器水栓事業部 機器水栓開発部
浴室水栓開発グループ グループリーダー
1991年TOTO株式会社入社

入社時はユニットバス開発部門に配属。
電気温水器開発を経て浴室水栓開発に携わる。


Chapter 1

1秒20回の脈動への挑戦。

1秒20回の脈動への挑戦。

節水はいまや世界的な課題です。ならば、少ない水量でもたっぷりの量感を感じられるシャワーを作れないか。それに挑戦した成果が、2010年に発売した「エアインシャワー*」です。水に空気(エア)を含ませることにより、大きな水粒で「量感」を高めたこの商品は、感性工学の研究をもとに節水と浴び心地を両立させた画期的なもの。いまやTOTOシャワーヘッドの代名詞的存在です。ただシャワー文化の先進地・欧米ではいまだに大口径のシャワーが主流。ならばこのエアインを応用的に進化させて、欧米の人にも喜ばれるハイクオリティなecoシャワーを作りたい。それが2年半前、僕たちのチームに与えられた大きな課題でした。

人はシャワーの量感が高いほど「浴び心地がいい」「快適だ」と感じる。それは前回の「エアインシャワー」を開発した際に判明しています。だから、まず考えたのが「エアイン」で得られる「量感」をもっと高めたいということ。じゃ、強い水流と弱い水流を交互に出してはどうか。それもごく短い周期で強弱を繰り返す。すると皮膚感覚ではたっぷりの水がずっと当たっているように思えるはず。それを空気を含んだ大きな水粒の「エアイン」で実現できれば、「節水と量感」ダブルの効果が期待できる。そのひらめきで「脈動エアイン」開発をスタートさせました。

ただ、脈動で本当にめざす「快適さ」が得られるかどうかは実証されていません。皮膚温の変化などは数値化できても、人間の感性の部分は実際浴びてみないとわからない。そこで「シャワー素人」の社員モニターを募集。試作品を浴びまくってもらいました。ただこれが本当に大変。多い時には、1時間で7種類のシャワーを浴びつつ、オペレーターの指示で自分の感覚を数値化するのですからね。それも就業時間内なので特に女性は面倒だったと思います。でもできるだけ幅広いサンプルデータを得たい。これと思う人がいたら、僕たちが直接本人に交渉。上司の許可も取り付け、たくさんの人に協力してもらいました。その結果、水流の強弱、つまり脈動で得られる量感は実際の水量の平均値よりも大きく、人は吐水の勢いのピークをそのシャワーの量感として感じることが実証できた。つまり「脈動エアイン」が、非常に快適で節水にも効果的だと確認できたのです。それからは、サンプルデータをもとに脈動吐水の流量と周期を検討し、0.05秒の脈動、つまり1秒に20回というごく短い周期で吐水することを決定。ただその後の設計には、もっと苦労が待っていたのです。

* GREEN STORY Vol.3 エアインシャワー開発秘話

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Chapter 2

放射線状のエアインに四苦八苦。

放射線状のエアインに四苦八苦。

というのは、その当時のエアインシャワーは水を直進させながらエアを混入していた。だからヘッドの形状に制約があったんです。欧米で人気の美しいフォルムを持つ円状のヘッドや、大型のオーバーヘッドシャワーにも対応できるエアインにするには、放射線状に広がる水にエアを混入する新たな技術が必要になる。これが簡単なようで実は難しいんですね。直線状だと、水流をギュッと絞ってその勢いでエアが混入できる。放射線状だとそう単純にはいきません。さらにハンドシャワーは50前後、オーバーヘッドシャワーだと100前後の吐水穴があるのですが、このすべてから同じ勢いで水を出すのがまた大変。穴の面積も小さすぎると水が詰まるし、大きすぎると水の勢いが弱くなる。相反するバランスを見つけるまで本当に苦労しました。

それをようやくクリアしても、次はヘッドの薄さとの戦い。海外展開を前提にした商品なので、デザインの美しさは必須条件です。わずか1cmという薄さにこだわったがゆえに、そのなかにエアインと脈動の2つの機能を収めることに四苦八苦。泣きそうになるほど厳しい条件下で、安定した脈動を確実に発生させ続けなければならない。もちろん電気は使えないので、内部構造の仕組みだけで。設計現場では0.1ミリ単位の寸法との戦いが連日続き、結局、商品化するまでに2年半の月日が必要でした。まさにチーム全員の汗と涙の結晶ですね。

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Chapter 3

5つのテクノロジーで海外でも高い評価。

5つのテクノロジーで海外でも高い評価。

ようやく完成した「脈動エアインシャワー」をお披露目したのが、今年春にドイツで開催された世界最大の住宅設備展示会ISHでした。ここで「日本のシャワーもやるじゃないか」と思ってもらうために、僕たちは出展する新商品に5つのシャワー技術を搭載しました。そのうち3つは世界初。その1つが今回お話しした「エアリアルパルス(脈動エアイン)」で、あと2つがリラックス効果を高めるための「ウォーターピラー(超整流)」に、刺激感のある「ジャイロストリーム(マッサージ吐水)」。いわばシャワー文化の世界的達人たちに評価されるので結果を聞くまで緊張しましたが、おかげさまで非常に好評でした。節水はもちろん、「快適な浴び心地」にこだわった姿勢が評価されたのがうれしかった。ぜひ、日本の方にもこの「脈動エアイン」を体験してもらいたい。と同時に、シャワーをリフレッシュやリラックスのための手段としてもぜひ活用してほしい。シャワーは単に身体を流すだけではない。欧米のような多彩なシャワー文化が日本に根付くように、ecoでありながら快適性をとことん追求した商品を開発していきたい。それが僕たちの夢なんです。

この技術を搭載している商品は・・

BATHROOM
SYNLA(シンラ)商品詳細を見る

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編集後記

編集後記by Yayoi Okazaki

三浦さんのお話しを伺ったのは、実際の開発に使われたモニタールームでのこと。インターフォンでやりとりしながら、正確に「浴び心地」をデータ化していく。それがどんなに根気強く地道で大変な作業だったかをひしひしと感じました。でもこの積み重ねがないと「節水しながら快適」だと謳うことはできないんですね。自分たちで企画して作っても、必ず壁にぶち当たる。「それをみんなで乗り越えるんです」という三浦さんの言葉が印象的でした。しかし最新のシャワーはただ水を出すだけじゃない。あのスマートなヘッドにこれだけ新技術が詰め込まれ、そして節水できるのをご存じでしたか? 水をなんの動力も使わずに脈動させて、空気も取り込んでしまう。まさに三浦さんたちは水のマジシャンですね。「ぜひ日本でも普及させたい」という、ecoな脈動エアインシャワー。機会があればぜひ体験したい! でも体験したら絶対我が家にも欲しくなるでしょうね。

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