水量を少なく、でも浴び心地は快適に。エアインシャワーで気持ちよく節水。

浴び心地が良くて、節水もできるシャワーがあったら…。
そんな夢のような商品開発に取り組んだTOTOのシャワーチーム。
おもしろいのはその開発手法です。
試作品を作ってから浴び心地を試すという従来の手法を用いず
最初に「浴び心地」を徹底的に分析することからスタート。
その結果誕生したエアインシャワーは
大粒の雨のような心地良さがありながら
従来のシャワーに比べて約35%の節水に成功。
なんと年間だと約2万6000円の節約になるという超優秀な新商品です。
この世界に通用する革新的なecoシャワー開発のキーマン4人に
その開発秘話を語ってもらいました。

プロフィール写真

写真左:
中:佐藤 稔(さとうみのる)
総合研究所 UD研究所 健康技術研究グループ/グループリーダー
1992年 TOTO株式会社に入社。以来、吐水研究ひとすじ。ウォシュレットのワンダーウェーブ洗浄やワンダースピン開発に携わる。エアインシャワー開発では研究サイドの責任者。
右:岡本 美南(おかもとみなみ)
総合研究所 UD研究所 健康技術研究グループ
2006年 TOTO株式会社に入社。大学では感性工学を専攻。エアインシャワー開発では「浴び心地」の分析解明を担当。
左:浮貝 清岳(うきがいきよたけ)
総合研究所 UD研究所 健康技術研究グループ
2007年 TOTO株式会社に入社。大学では機械工学を専攻。エアインシャワー開発では構造部分を担当。

写真右:
米丸あゆみ(よねまるあゆみ)
水栓事業部 高感度海外BUグループ
2007年 TOTO株式会社に入社。大学では電気工学を専攻。エアインシャワー開発では商品化を担当。

世界に通用する快適な節水シャワーが作りたい。 −佐藤 稔−

僕がシャワー研究に目覚めたのが05年。
ドイツで開かれた世界最大の住宅設備展に参加してからです。
日本と違って海外ではシャワーが圧倒的主役。
こだわりもすごいしメーカーや商品数も驚くほど多い。
しかも節水に厳しいアメリカでは
住宅で使用する水の17%を占めるシャワー対策が叫ばれている。
ただシャワーは水量を減らすと浴び心地が悪くなる。
従来の快適なシャワーは大量の水に依存していたんですね。
ならば世界でもまだ登場していない
快適さとecoを両立した商品をなんとか作れないかと。
新商品も単に節水を謳うだけではダメ。
節水以上に快適さを求められるのがシャワー特有の難しさです。
だから最初に「浴び心地」というあいまいな感性を解析して数値化。
その目標値をクリアしながらどこまで節水できるか。
そんな感性工学的な開発手法で取り組んでいこうと決断しました。
まずは「浴び心地」の徹底分析を岡本さんに。
その成果をふまえた具体的な構造の構築を浮貝さんに。
入社2〜3年目のフレッシュな2人に大きな課題を渡しました。
結論からいえば、予想以上にこの手法が成功したと思います。

本当に良いものができましたね。
完成したエアインシャワーの試作品は社内でも奪い合いの人気で
私たちの手元にも残っていないくらいですよ(笑)。

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TOTOは2009年3月10日(火)〜14日(土)にドイツ・フランクフルトにて開催された、衛生設備、暖房、空調をテーマとする世界最大のトレードショー「ISH(International Sanitary and Heating)」に水まわり総合メーカーとして日本より初出展。

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浴び心地の良さは「量感」がカギでした。 −岡本 美南−

佐藤さんから大きな宿題をいただいて約1年。
まさに「浴び心地」研究に没頭した日々でした。
まずはさまざまな人にシャワーを浴びてもらい
「浴び心地」をから連想する言葉を集めることからスタート。
その言葉をグループ分けしてさらに状況を徹底的に分析しました。
そして浮かびあがってきた言葉が「量感」。
量感が高いシャワーほどヒトは快適だと感じるんですね。
次に「量感」を感じるときの水の状態を細かく解析。
その結果、水の速度を保ったまま水粒を大きくすれば
いままでにない快適な「量感シャワー」ができると思いました。
その量感と節水を両立させるための数値を導き出し、
そこから先は浮貝さんにバトンタッチ。
ただ成果がキチンと出たのは良かったのですが
さまざまなシャワーヘッドの「浴び心地」を試しているうちに
すっかり私自身がシャワーおたくになってしまって。
水道代が大変なので早くエアインシャワーを取り付けたい!
その快適さと節水効果を誰よりも知っていますから。

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浴び心地の感性モデル

たっぷりとお湯をあびている量感、たっぷりのお湯に包みこまれる感覚、お湯のなめらかさを感じる触感、肌への刺激感などシャワーから感じるさまざまな感覚をたくさんの人の回答から数値化していった。

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画期的な「エアイン」技術は偶然のひらめきから。 −浮貝 清岳−

岡本さんの研究成果を見て正直頭を抱えてしまいました。
水粒を大きく、速度は速く、広い範囲に当てる。
この3つはそれぞれ相反する相互関係だから
すべてを成立させるのは理論的には難題なんですね。
そこでとりあえず評判の良いシャワーヘッドを集めて分解、分析。
でもどれも大水量前提のものばかりでした。
たとえば、快適さに定評ある外国の最高級製品は1分間13リットル。
通常のシャワーは10リットル、TOTOの節水タイプで8.5リットルです。
これを6.5リットルの吐水量まで落とすのが今回の大命題。
ならば、いわゆるエアイン、空気の力を借りようと決めました。
しかし水と空気を混ぜるとどうしても水の勢いが落ちてしまう。
どうすれば効率よく空気を取り入れられるのか。
自作のシャワーヘッドの山をズーッと見続ける毎日でした。
あるとき、水と空気の混ぜ方に着目し、
水を壁面に衝突させずに空気を取り込む工夫をしたら良いのかも。
とひらめいて、試作品を作って通水したら、あれ、できてる?
空気をいい感じに吸って水が白濁しているじゃないですか。
しかも小さな気泡をいっぱい入れると粒は大きくなるし流速も早い。
うれしい〜、できた〜という感じで開発に持っていきました。

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浮貝さんは、エアインのヘッドをいくつも作り、試しては改良し、試行錯誤を重ねながらわずか1年弱でプロトタイプを作り上げた。

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苦労しただけにデザインの美しさも自慢です。 −米丸あゆみ−

実は入社して初めての大きな仕事がこのエアインシャワー。
同期の浮貝さんから試作品をもらい
デザイン図に当てはめてみたら…、
これがぜんぜん当てはまらない!
しかも構造すべてが新しいので部品もイチから作る必要がある。
こんな大きなプロジェクトに私が関わっていいのか。
図面を引きながらもプレッシャーに押しつぶされそうでした。
そもそもエアインシャワーは手に持って使うタイプのシャワーです。
コンパクトで持ちやすくなければならないのは最低条件。
どうすれば性能を損なわずに美しく収められるか。
構想から何度も練り直す試行錯誤の連続でした。
エアインシャワーは本当に美しく使いやすいデザインです。
完成品を実際浴びてみたら
キチンとエアも吸っているし、肌当たりも心地良いし。
うまくできたんだなと納得できたのと同時に
ひと山越えたような気持ちになりました。
確かに生み出すのに苦労はしたけれど得たものも大きかった。
開発者1人1人の熱い思いをバトンタッチして
完成したエアインシャワーは関わった人みんなの努力の結晶です。
この浴び心地をぜひ多くの方に体感してもらえればいいなと。
実はウチの両親にも試してもらったのですが
「あ〜これいいね」と喜んでもらったとき
モノづくりの醍醐味を実感できたような気がします。

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使いやすく美しいデザインのヘッドの中に画期的な節水&快適性能が詰まったエアインシャワーが誕生。

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スローシャッターでエアインシャワーから出るお湯を見ると、一つひとつの粒の大きさがとても大きいことがわかる。

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システムバスルーム「サザナ」にエアインシャワーを搭載。
TOTOの戸建住宅用システムバスルーム「サザナ」が8月にモデルチェンジ。話題のエアインシャワーが搭載されるのはうれしいニュースかも。「でもそれだけじゃないんです」と河村紀一郎さん。「大人気のほっカラリ床も標準装備に。この心地良さは絶対クセになりますよ〜」。ほっカラリ床は、なんと購入者の満足度93%! TOTO独自の超優れモノなのです。畳のようなソフトな床はヒヤッとしません。冬でも最初の一歩目から気持ちよく、カラリと乾くから翌朝靴下のまま浴室に入れるほど。また「サザナ」は多彩で美しいデザインや掃除のしやすさにも自信あり。「お風呂も他の部屋と同様、快適な空間でありたい」という思いがしっかり伝わってきます。そもそも世界初のユニットバスはTOTOが作ったことをご存じでしたか? ホテル→マンション→戸建住宅とユニットバスが普及していく過程は、TOTO浴室チームの歴史そのもの。「魔法びん浴槽」をいち早く開発した浴室ecoのパイオニアでもあるのです。「エアインシャワーはヘッドそのものが節水機能を持つのが画期的。お客様の反応が楽しみですね」と、河村さんも発売が待ち遠しそう。

サザナの詳細はこちら
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河村 紀一郎(かわむらきいちろう)
システム商品営業推進部
浴室商品営業グループ

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エアインシャワーがリーズナブルな価格で選べるシステムバスルーム「サザナ」。

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「サザナ」は、たたみのようなやわらかさで水切れのいい「ほっカラリ床」も標準装備。

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グリーンストーリーについてお聞きします。