トートー×マガジンハウス グリーンジャーナル
vol.5 壁が、ただいま空気の浄化中。

メインイメージ
写真/柿澤りか
ただ建っているだけで、 空気をきれいにする壁があります。 光と雨を浴びると、空気中の汚れを浄化して、 しかも汚れもつきにくい。 それは光触媒作用を利用した壁だからなのです。

ライター 中村浩一郎さん
自転車専門誌の編集、国際MTBジャーナリストを経た後、雑誌『TARZAN』『RELAX』のスタッフなどとして執筆。『TARZAN』では環境に関する連載の立ち上げに関わり、数年間執筆を担当。現在はカラダ、MTBといったオーガニックなテーマを中心に、執筆活動を続けている。
第1章 汚れのつかない建物は、空気もきれいに。
光の力で、壁と空気をきれいにする。

掃除している様子もないのに、いつまでもきれいな建物。そんな建物が、見た目だけでなく、空気の汚れまで、きれいにしていると言ったら、あなたは信じますか? 突拍子もなく聞こえるかもしれませんが、本当の話です。
その秘密は、その建物の壁に使われる材料にあります。それがTOTOが開発した《ハイドロテクト》というタイルや塗料。光が当たると反応を起こす、「光触媒作用」を利用した、最新技術です。
このハイドロテクトには、光が当たると汚れが落ちやすく、その汚れが雨で流れやすくなるという性質があります。しかもそれだけでなく、実はクルマの排気ガスや工場からのばい煙に含まれる NOx(窒素酸化物)、SOx(硫黄酸化物)といった大気の汚染物質も浄化するという効果もあるのです。
植物の中でも、空気を浄化する力の高いポプラにハイドロテクトの浄化力を換算すると、面積1000m2あたり、ポプラ95本分(ECO-EXの場合)と同程度。エコな建物などにも採用されており、この「ポプラの森」は、どんどん増えています。
これまで建物の壁は、汚れたら洗う、または塗り替えるというのが当たり前の考えでした。その常識が、少しずつ変わろうとしています。洗浄のために、無駄に水を使ったり、洗剤を地面に流すこともありません。しかも、壁をきれいなままに保つだけではなく、空気もきれいにしています。そこにあるだけで環境に貢献しているという、新世代の建築技術なのです。
〈ハイドロテクトカラーコート〉、〈ハイドロテクトタイル〉
光触媒機能をもち、カラーバリエーションも豊富にそろっています。(写真左/柿澤りか)
〈 ハイドロテクトのセルフクリーニング性能の実例 〉
2年間、外で放置してありますが、ハイドロテクトの方はきれいなまま。(写真/柿澤りか)

光触媒作用の仕組みってどんなもの?

ハイドロテクトが汚れを落として空気もきれいにする、その仕組みの中で大きな役割を果たすのは光です。ハイドロテクトに光が当たると起こる光触媒作用には、大きく分けて二つの効果があります。一つが、汚れを分解し、浮かせてしまうこと。そしてもう一つが、タイルや塗料の表面に、水をなじみやすくすることです。
簡単に言うと、ハイドロテクト表面に付いたホコリや油分といった汚れは、光が当たることで分解されて、へばりつく力が弱まります。ここに雨が降ると、水分は壁の表面に滑らかに広がって汚れを壁から浮かせ、流します。
光触媒のこの作用は、汚れを浮かすだけでなく、NOxやSOxといった空気の汚れを、植物の肥料のようなものに変える力も持っています。そのため、排気ガスなどで汚れた空気がこのハイドロテクトを使う壁に触ると、汚れといっしょに雨で流れていくのです。
それでは、このハイドロテクトの実力を、実験で見てみることにしましょう。
→第2章に続く


ハイドロテクトの詳しい仕組みについては、こちらのページをご覧ください。

ハイドロテクトの詳しい仕組み
光触媒作用の仕組 イメージ