TOTO×マガジンハウス 環境と建築


Vol.6[海外特別版] 景観と快適さを維持した環境リノベーション。

Text:Tamaki Takahashi / Photo:Yoshiyuki Hosaka

守るべき景観、快適さはそのまま、エコリノベーションを推進。

ハワイ諸島のもっとも東にあるカウアイ島は、「ガーデンアイランド」と呼ばれ、庭園のように美しい自然が多くの観光客を魅了しています。中でも、一年中天気がいいことで知られる南海岸のポイプは、一流ホテルや貸別荘が建ち並ぶ豪華リゾートエリア。そんなポイプのオーシャンフロントに建つ最高級ホテル、グランドハイアット・カウアイ・リゾート&スパが昨年、1年にわたる全面改装を終えました。

今回の改装で目指したのは「エコリノベーション」。ホテルの外観も周囲の景観も変えず、快適さをアップさせ、環境にやさしい方法ですべての客室と施設を新しくしよう、という試みでした。

このエコリノベーションには、カウアイ島ならではの事情が少なからず影響しています。まずはハワイ州の電気代。全米平均の約2.5倍、アメリカでもっとも高いため、いかに低く抑えるかは経営上とても重要でした。次に水事情。島という立地上、限りある資源であるため節水が必須です。最後に景観保全。カウアイ島はヤシの木よりも高い建築物を建ててはいけないという条例があり、海岸沿いの建物に対しては改装に対しても非常に厳しい条件がつけられています。コストカットと景観・環境保全の両立が命題だったのです。

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リバープール&ラグーンが広がる庭園

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ヤシの木より建物が低い

エコリノベーションの柱は、ソーラーパネルとバスルームの節水。

その命題をクリアするために、まず行ったのはソーラーパネルの設置。日照が安定しているハワイでは太陽光発電がとても有効です。問題はどこに設置するか……。ホテルの屋根にパネルを置けば外観を変えることになってしまいます。

検討を重ねた結果、設置場所として浮上したのが従業員用の駐車場でした。宿泊客の目に触れない場所にあり、パネルを屋根代わりにすれば雨でも車が濡れません。とはいえ、人の目にふれない場所であっても近隣住民の意見も聞く必要があり、3回の公聴会を経てようやく設置が決まりました。

次に節水です。カウアイ島は世界一降水量の多いワイアレアレ山を擁していて、いずれはその雨水を最大限に活用したいと考えていますが、現状では小さな節水努力を積み重ねることが唯一の改善策。そのために、すべての客室のトイレとシャワーを節水機能にすぐれたTOTO製品に変更しました。600室以上の大きなホテルだけに、これだけで節水効果はとても大きいのです。しかもウォシュレットや暖房便座など、通常のトイレに比べて快適さは格段にアップしました。

デザインに優れた低流量シャワーの導入、節水型トイレの設置、ソーラーパネルの採用……。どれもみな、美観と快適さをキープしながら、環境への配慮をアップするものです。さらに詳しい「エコリノベーション」の内容を紹介します。

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従業員用の駐車場に設置されたソーラーパネルのルーフ

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水まわりはTOTO製品。デラックスルームにはウォシュレットも設置。

グランドハイアット・カウアイ・リゾート&
スパが行った大きなリノベーション。
テーマは、カウアイの自然と景観を守ること、
一流リゾートホテルのクオリティと
快適さをキープしながら、
いかに環境に貢献することができるか。
双方を実現したリノベーションを
詳しくリポートします。

Grand Hyatt Kauai Resort and Spa

1571 Poipu Road, Koloa, Hawaii, USA 96756
施設:全602室/飲食施設11/ミーティングルーム19/フレキシブルイベントスペース屋内6,116m2、屋外1,716m2/4,234m2の屋内外「ANARA」ヘルス アンド フィットネス スパ/リバープール&ラグーン/テニスコート3面ほか

公式ホームページはこちらから


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