池原義郎


「浅蔵五十吉美術館について」


'94年1月18日〜2月22日

 ほの暗い会場に,光の線だけが立ち上がっている.「浅蔵五十吉美術館」(1993)ただひとつの作品を対象にした展示.透明のアクリル板に白の線で描かれた平面と断面,あるいは原寸図が転写されている.キャノピーの支柱の断片やドアの手掛かり部分が,同じ透明のアクリル板に再現される.光を目でたどっていくと,不意にそこに開口部のディテールが重なってくる.図面の一部が膨張し,立体化する.ただひとつの建築を通して自己の世界を解き明かそうとする構成は,いかにもこの作家にふさわしい.
exhibition scene
 藤塚光政撮影
講演会 : 池原義郎講演会
      2月4日 東京・建築会館ホール


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