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「住宅のル・コルビュジエ」


全プロジェクト模型と家具


'01年4月12日〜5月26日

 住宅からル・コルビュジエを見る。コルビュジエの創作活動は広く都市計画・建築・著作・絵画・彫刻・雑誌の編集にわたっているが、20世紀最大の建築家としてのコルビュジエは常に住宅とともにあった。1905年故郷ラショード・フォンで最初の住宅作品ファレ邸をつくってから、あざやかに近代建築を予見した1914年のドミノ型住宅、労働者の量産型住宅、有名な「住むための機械」としての白の時代の住宅作品群、最小限住宅、プレファブによる非熟練工のための構法、地域に根差したバナキュラーな住宅、非西欧圏への展開、プリミティブな小屋としての住宅、寸法のシステム、戦争罹災者のための住宅……。コルビュジエにとって住宅は原点であり、生涯その創作は続けられたのだった。
 コルビュジエの住まいに関する提案は家具から個人住宅、集合住宅、都市計画にまで広がっている。ここでは、「共有部分をもたない自立した住宅 」を対象にし、『ル・コルビュジエ & ピエール・ジャンヌレ全作品集』*1(全8巻)、『ル・コルビュジエ財団資料』*2(全32巻)、その他の資料を調べると、106プロジェクト、200を超える住宅案が確認できた。 この数字の中には実現しなかったプロジェクトも含まれている。極端な例ではスケッチ程度のものもあったが、それらの復元も含め、全住宅プロジェクトを200分の1の縮尺にそろえて模型化した。これら全住宅の中には、流通したイメージの陰に隠れてしまって普段目にする事のないコルビュジエが存在する。この「住宅のル・コルビュジエ」展は、これまで無数の解釈、評価がなされ語られた「ル・コルビュジエ」ではない、リアルなル・コルビュジエにできるかぎり近付こうとする試みである。
チームV/東京大学工学部建築学科安藤忠雄研究室
scene 1

scene 2
 撮影:ナカサ・アンド・パートナーズ
空間術講座11:「建築の枠組(フレーム)」と「身体の枠組(フレーム)」
        ナビゲーター  富永讓
        4月20日 中村好文 「オブジェとしての空間装置」
        4月24日 鈴木了二 「ル・コルビュジエのメディア戦略」
        4月27日 鈴木恂  「ル・コルビュジエの光と影、または屋根とピロティについて」
        5月11日 八束はじめ「住宅を構成するもの 住宅が構成するもの――コルビュジエvsミース」
        5月15日 伊東豊雄 「ドミノ・システムの意味」
        5月18日 富永 讓 「ル・コルビュジエの住宅と建築的散策路」

巡回展:「住宅のル・コルビュジエ−全プロジェクト模型と家具」
    東北工業大学 2001年 6月25日〜 7月13日
    愛知淑徳大学 2001年 7月27日〜 8月 9日
    カッシーナ・インターデコール大阪店 2001年8月16日〜9月2日
    大阪芸術大学 2001年10月18日〜10月25日
    金沢工業大学 2001年10月29日〜11月10日
    弘前市民会館 2002年 2月 1日〜 2月11日
    北海道大学  2002年 1月15日〜 1月28日
    横浜情報文化センター 2002年3月14日〜3月25日


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