ギャラリー・間10周年記念 出展作家の原点作品展
高松伸

キリンプラザ大阪

1987年
作品写真
(藤塚光政撮影)

「今描きあげようとしているこのプロジェクトがエポックになるのでは」などと大きく期待を膨らませ、それ故に労力など惜しまずとにかく全力で走りだす。多くの場合、ちょうどスピードにのってきたあたりで急ブレーキがかかる。予算、工期、法律、施主の意向といった、どれもスコブル性能の良いそれである。おかげでこちらは絶えずムチ打ちや打撲の恐怖と闘う毎日という訳である。
思えば「キリンプラザ大阪」はその典型であった。予算超過、短縮工期、大企業クライアント等々、それこそ体中に擦過傷を負いながらも、それらの中をかいくぐるようにして完成にこぎつけたといった感がある。
随分鍛えられたものだが、同時に、建築の持つ可能性を再認識する絶好の機会を得ることが出来た。
おかげでそれ以降、建築家として肝がすわったような気がする。


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