ギャラリー・間10周年記念 出展作家の原点作品展
六角鬼丈

闇の道

1995年
作品写真
都市はあらゆる人や事物も浮遊物か。 汚染する海水の波間に揺れ動いている。
見ていたくて、見ていたくもない。 見えすぎても無視していく都市の風景。
人の五感は現象をキャッチするには合理的。 だが実に器用に開閉する。
疲れたくなければ、好きな見方、好きな物だけを見ればいい。 あとは目、耳、鼻、口そして手足すらしっかりと閉じていればいい。
それでも何か創ろうとする意識は、現実を見ながら出来るだけ距離をとろうとする。
何処へ行けばいいのか。
自己の精神世界に内在する思考の迷路が浮かぶ。 暗闇のトンネルへと入り込む凝死再生の回路がある。
そこは何からも束縛されることのない。 それでいてあらゆる気配の立ちいずる空間と、勝手に思いこんでいる。
(このモデルは、立山博物館まんだら遊苑の「闇の道」)
(藤塚光政撮影)

前展覧会:地・水・火・風・空 (1988)
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