ギャラリー・間10周年記念 出展作家の原点作品展
モーフォシス

Homage to Issey Miyake

1995年
作品写真
我々は作品を生み出す過程で、明らかに対立し反発し合うもの(内装と外装、面と立体、自然とテクノロジー、塊と開口)の関係、一連のつながりを持った要素とこれに対立する要素の間の隙間をどう処理すべきかを重視する。その結果として、要素間の結合と分離という相対する概念が、ひとつの作品に共存する。作品の全般的方向性を決定する敷地条件は無視できないが、同時に建築を周囲の環境から独立した存在と捉える目と、対照的に周辺に広がる町並みとの間に何らかの接点を設けることによって周囲と調和する存在と位置付ける目の両方を持たなければならない。ソウルに建てられたこの作品では、外観は周辺環境からの独立性と調和性の両方を意図しており、内観ではこうした要素を内側に向けて破裂させている。断片同士を共存させることによって予期せぬ調和を生み出し、住まうひとが自己満足に陥らないような環境を提供する。緊張や対立を緩和するためのこうした方法は、不動の価値観から抜け出し、一層の柔軟性とダイナミズムに象徴される世界的なパラダイムの変化に対する我々の姿勢と同一線上にある。
(藤塚光政撮影)

前展覧会:Parallel Activities (1990)
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