ニュースリリース

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NEDO、人工光合成化学プロセス技術研究組合、東京大学、TOTOの共同開発
人工光合成による水素製造の実用化を加速させる混合粉末型光触媒シートを開発

~英国科学誌「Nature Materials」のオンライン速報版で公開~

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、人工光合成化学プロセス技術研究組合(ARPChem)※1、東京大学、TOTO株式会社は、NEDOの「二酸化炭素原料化基幹化学品製造プロセス技術開発(人工光合成プロジェクト)」※2において、太陽エネルギーを利用した光触媒による水からの水素製造(人工光合成※3の一種)で、2種類の粉末状の光触媒を用いた混合粉末型光触媒シートを開発し、太陽エネルギー変換効率1.1%を達成しました。
さらに、同シートのコンセプトをもとに、大量生産が可能なスクリーン印刷による10cm角の塗布型化にも成功しました。

開発したシートは非常にシンプルな構造で、大面積化と低コスト化に適しており、安価な水素を大規模に供給できる可能性を持っています。

なお、今回の研究成果は、2016年3月7日(月)16時(英国時間)に英国科学誌「Nature Materials」のオンライン速報版で公開されています。
〈参考〉
「Nature Materials」のオンライン速報版
http://www.nature.com/nmat/journal/vaop/ncurrent/full/nmat4589.html
※1:参画機関: 国際石油開発帝石(株)、住友化学(株)、TOTO(株)、(一財)ファインセラミックスセンター、富士フイルム(株)、三井化学(株)、三菱化学(株)(五十音順)
※2:2012~2013年度は経済産業省、2014年度からはNEDOのプロジェクトとして実施中
※3:太陽エネルギーを用いて、水や二酸化炭素等の低エネルギー物質を、水素や有機化合物等の高エネルギー物質に変換する技術。

混合粉末型光触媒シートによる
水分解の概念図

混合粉末型光触媒シートからの
水素と酸素の発生状況

スクリーン印刷により作成された
混合粉末型光触媒シート
(10cm×10cm)
TOTOは、1994年に光触媒を用いた「抗菌タイル」の開発に成功して以来、光触媒の分解力や親水性を活用した建材や塗料を商品化するなど、光触媒技術の実用化に取り組み続けてきました。本プロジェクトにおいては、混合粉末型光触媒シートの実用化に向けた技術開発を担当しています。

今回、「Nature Materials」に掲載された研究成果のうち、TOTOはスクリーン印刷による塗布型化の実現に貢献しています。従来の高温真空プロセスでの製造に比べ、スクリーン印刷による製造は、混合粉末型光触媒シートの大面積化と低コスト化が期待できるため、光触媒を用いた水分解による水素製造の実用化を大きく加速させる研究成果です。

TOTOは、人工光合成プロジェクトの一員として、今後も、二酸化炭素排出量の削減に貢献可能な革新的技術の進化をはかり、持続可能な社会の実現に向けて貢献してまいります。
〈参考〉
NEDOのニュースリリース
「人工光合成を実現する混合粉末型光触媒シートを開発」
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100533.html
ニュースリリース全文は、以下よりダウンロードしてご覧ください。
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