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TOTOのコーポレートレポート発行によせて

株式会社創コンサルティング 代表取締役 海野 みづえ 氏
株式会社創コンサルティング
代表取締役 海野 みづえ 氏


環境・CSR分野についての経営のあり方について、総合的なコンサルティングを行っている。企業の価値観こそがCSRの根幹であり企業価値を高める、という基本姿勢のもとに、独自の分析眼でCSRマネジメントの推進を展開中。
TOTOグループでは、「Vプラン2017」に基づいて技術革新を切り口にした事業活動が着実に展開されています。今後、成長が期待される新興国市場では、ESG(環境・社会・ガバナンス)の要素が鍵になります。

グローバル展開

新興国では、ウォシュレットを中心にしたハイエンドな市場だけでなく、社会インフラの整備が不十分な市場への展開が今後の課題です。下水道の普及状況やトイレの習慣が異なるなかで、単なる日本の製品や技術の導入ではなく、それぞれの国に合わせた健康的な生活を提供することが、グローバル企業として求められる役割でしょう。
 このためのキーワードが“衛生”です。世界の社会課題として、衛生問題を正面から捉えることが大事であり、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の視点も取り入れて、「グローバル環境ビジョン」に、水、地球温暖化と共に“衛生”を位置づけることが求められます。

サプライチェーン

自然資源のサプライチェーンでは、生物多様性ばかりでなく社会面も含めたCSR調達への要請が厳しくなっています。海外では、森林伐採の問題がクローズアップされており、木材調達に対する注目が高まっています。TOTOでは、これまでも、土石や木材の原材料において調達先への調査を実施していますが、調達地域の実態調査や監査など、さらに踏み込んだ取り組みが必要です。

地域・社会活動

水環境基金を活用した海外での実践事例が充実してきました。日本国内での水資源保全を重点とする活動とは異なり、地域住民の衛生や健康問題の解決につながる活動を行っていくことがポイントです。社会貢献活動を通して地域との接点を創っていくとともに、そこで得られる信頼をブランド構築に活かして製品開発やマーケティングにつなげ、戦略的に展開することを期待します。

主要なパフォーマンス指標(KPI)の改善

ESG指標を整理・体系化し、成果が視覚的につかめています。次の課題は、これまでである程度達成された項目について目標値や取り組むべき内容を再検討することです。また数値目標ばかりでなく、質的な目標設定についても検討してください。

社員

職場環境の整備や労務マネジメントといった人材基盤の整備は十分に展開されています。そのうえで、ダイバーシティや国際化などの人財強化策については戦略性の強さを意識し、事業上の付加価値創造としての視点を強調していくことが大事です。

ステークホルダーエンゲージメント

グローバル展開の進展にあわせて、海外事業地域のステークホルダーとのエンゲージメントを広げていくべきです。各地域での社会活動の接点を活かし、積極的に連携をすることが必要です。さらに、事業の展開地域の拡大に伴い、サプライチェーンや海外の自然保護分野などで接点を求めてくる様々な関係者と対話を行い、その要素を実行していくことも求められます。

「TOTO CORPORATE REPORT 2015」第三者意見への対応

2015年度に発行したコーポレートレポートの「第三者意見」においていただいたご意見・ご提案に対して、取り組んだ活動についてご報告します。
海野さんより頂いた「ご意見・ご提案」 2015年度対応した活動 関連ページ
「TOTO CORPRATE REPORT 2016」、
「TOTOのご案内」および「Web」などにて、
以下の点を報告しています。
<社会・環境ビジョンの明確化>
  1. 【1】理念体系を具体化するサステナブルな方向性
    環境経営に加え、社会分野まで含めたサステナブルな方向性を示すことが求められます。既に事業ミッションとして、「ユニバーサルデザイン」、「環境」と「きずな」を位置付けていますので、この社会・環境要因のベースとなる3分野を事業計画につなげていくことです。今後の経営計画策定にあたってはこの点を意識し、企業理念の体系を実践につなげていくことが必要です。

    【2】「水」をさらに意識した体系とその展開へ
    「真のグローバル企業」の条件は、事業の国際化ばかりでなく世界レベルで地域と連携しコミュニティから信頼を得ることです。TOTOの「水事業」を柱とした事業計画のなかに、社会貢献活動も戦略的に位置づけて強化していくことがそのアプローチとなります。現在のTOTO水環境基金を、世界の生活衛生の改善に広げてさらに実践していくことです。自社での取り組みだけでなく市民組織や公的機関などさまざまなステークホルダーと協働し、こうした活動を体系的に説明していくことが価値ともいえます。


  1. 【1】TOTOグループは、CSR経営をCSRの取り組みにより「TOTOグループ企業理念」の実現を目指す経営と考えています。 「ユニバーサルデザイン」「環境」「きずな」の各ミッションは、中・長期経営計画「TOTO Vプラン2017」の取り組みにおいて実践に取り組んでいます。引き続き、これらの活動を通じて、グローバル各事業地域で多くの皆様に信頼していただける企業を目指し、サステナブルな社会の実現に努めていきます。

    【2】水まわり商品を提供する企業として、節水商品をグローバルに普及させるだけでなく、「TOTO水環境基金」を通じて水環境の保全活動を支援しています。この活動をグローバルに広げるために、2015年度には初めて海外現地団体(インドの団体)への助成を決定しました。また、グローバル環境目標を見直し、「地域社会のために」の活動の対象を社会課題の解決に寄与するボランティア活動全般に拡大しました。


  1. 【1】TOTOのご案内     p4-p12
    コーポレートレポート p7-p18








  2. 【2】TOTOのご案内     p17
    コーポレートレポート p28

    Web
     グローバル環境目標
     ニュースリリース
<事業軸と革新活動>
  1. 【3】国内住設事業
    魅力ある商品といったハード面の展開やマーケティングの強化ばかりでなく、顧客との連携を深める活動、つまり「きずな」の具体的展開がカギになってきます。信頼される企業ブランドづくりを一層進めてください。

    【4】海外住設事業
    ここは今後の事業の柱であり、各地域それぞれの戦略まで説明していくことが必要です。特に新興国市場については、社会基盤が未整備な地域において衛生的、文化的なトイレの提供にどのように関わるのか、マーケティングにどのように反映するのかなどの工夫が必要でしょう。地域特有の課題を見据え、そこに適合した新たなビジネスモデルまで広げて展開することが重要になっています。

    【5】デマンドチェーン革新
    これまでの「サプライチェーン革新」と「ものづくり革新」を融合してバージョンアップしています。お客様ばかりでなく、サプライヤーのCSRをも考慮して展開しているので、総合的なバリューチェーン革新といえるでしょう。効率面だけでない長期的な信頼関係まで広げた調達をさらに実践してください。

    【6】マネジメントリソース革新
    人財力の強化は事業の重要な基盤です。ダイバーシティ面は、制度面の整備ばかりでなく事業の強化という戦略面が強くあり、プラス面も意識してください。そして海外事業の成功は、現地の人財マネジメントにあるともいえますので、グローバルレベルでの人財育成は今まで以上に強化してください。


  1. 【3】 サービスを超える「きずな」を深めるため、ショールームやリモデルネットワークの充実に取り組んでいます。リモデルに関する情報発信拠点としてTDY(TOTO、大建、YKK AP)のコラボレーションショールームを全国に展開しています。

    【4】 各国・各地域での経済動向や社会動向を注視しつつ、着実な成長戦略を推進しています。事業のさらなるグローバル展開を強化するために、住設事業をグローバル視点で一本化し、「日本住設事業」「中国・アジア住設事業」「米州・欧州住設事業」の3本柱による新体制としました。この中で、アジアにおいてはベトナム・タイでの生産体制を充実させるとともに、新興国市場での販売力を強化しています。
     

    【5】 サプライヤーとの更なる信頼関係を構築するために、双方向のコミュニケーションの強化に努め、国内外のサプライヤーとの方針説明会や意見交換会などを継続的に実施しています。2015年度は、国内向け土石原料調達先の鉱山に対してアンケート調査や商社を通じたヒアリングを行い、合法性や持続可能性の確認を行うとともに、TOTOの調達基準が100%達成されていることを確認しました。

    【6】 真のグローバル企業へと進化するため、国内外で活躍できる人財の育成に取り組んでいます。国内の若手に海外の門戸を広げる「海外インターンシップ制度」や、日本での海外幹部研修の範囲を幹部候補者に拡大するなど、人財のグローバル化も強化しています。2015年度は、企業理念をグローバルで共有するために、海外経営幹部クラスを日本に招き「TOTOらしさ」に関する意見交換を行い、また事業に貢献した社員を日本に招いて経営層が直接表彰するなど、モチベーションの向上を図るとともに、活発な人財交流を行いました。今後も継続して、企業理念の理解・浸透を進めていきます。


  1. 【3】TOTOのご案内     p11-p12
    コーポレートレポート p10

    Web
     ニュースリリース(2015)
     ニュースリリース(2016)
  2. 【4】コーポレートレポート p11-p12









  3. 【5】コーポレートレポート p10

    Web
     サプライヤーとともに





  4. 【6】コーポレートレポート p25

    Web
     人財の育成
<主要なパフォーマンス指標(KPI)>
  1. 【7】 ESGのKPIを財務指標とあわせて開示することで分かりやすくなりましたが、その成果の説明がまだ十分ではありません。デザイン上の工夫だけでなく、これらの指標に基づくESG活動を体系化して報告していってください。
    社会貢献活動を計測する指標の開発にも取り組まれていますので、今後はこうした総合的な評価を社内外に公表していくことに期待いたします。


  1. 【7】 事業活動やCSR活動の成果をできるだけ数値化しステークホルダーの皆様にわかりやすくお伝えできるよう努めています。CSR活動の象徴として「TOTOグローバル環境ビジョン」の主要テーマをTOTOのマテリアリティと位置づけ、「グローバル環境目標」の中でKPI化し実績を公表しています。2015年度は社会貢献活動の主要な取り組みである「TOTO水環境基金」に関して、参加人数だけでなく、自然環境への貢献度合いや、参加者の意識の変化なども指標化して開示するなど、改善を図りました。


  1. 【7】コーポレートレポート p17-p18

    Web
     TOTOグローバル環境目標
     TOTO水環境基金とは
<報告の体系>
  1. 【8】 今後の課題は、現在体系化しているツールや報告を、それぞれの対象に向けて有効なメッセージと内容を訴求していくことです。投資家の間では業績に影響のある非財務情報の開示に関心が寄せられており、企業価値の創造につながるESG要因の説明が求められているのです。コーポレートビューではその狙いをくみ、報告する情報を取捨選択していくことが必要です。KPIを体系的に検討し、社内での管理指標とするとともに、社外への説明の拠りどころとしてください。


  1. 【8】 各種コミュニケーションツールの位置づけを明確にし、その特性を活かしたわかりやすい情報の発信に努めています。2015年度は掲載情報の整理、検索性の向上とあわせて、進化する社会環境に対応するするためにスマートフォンを意識した改善を行いました。また活動状況のKPI化も積極的に進めています。これらの取り組みの結果国、内外の評価機関などから高い評価をいただきました。


  1. 【8】コーポレートレポート p2

    Web
     株主とともに
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